わらび座ミュージカル「ジパング青春記」特設ページ
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2015年08月07日 16:34

中島淳一「古典に学ぶ・乱世を生き抜く智恵」(3)

劇団エーテル主宰・画家 中島淳一氏

 己の創作領域のみを棲家とし、その域を超えた活動には慎重になりがちな芸術家が多いなか、福岡市在住の国際的アーティスト、中島淳一氏は異色の存在である。国際的な画家として高い評価を得るだけでなく、ひとり芝居に代表される演劇、執筆活動、教育機関での講演活動などでも幅広く活躍している。
 弊社発行の経営情報誌IBでは、芸術家でありながら経営者としての手腕を発揮する中島氏のエッセイを永年「マックス経営塾」のなかで掲載してきた。膨大な読書量と深い思索によって生み出される感性豊かな言葉の数々をここに紹介していく。


 

岡本太郎「自分の中に毒を持て」に学ぶ~己自身の独自な魅力を強烈に放射せよ~

 「芸術は爆発だ」の言葉で一世を風靡した画家・岡本太郎(1911~1996)は、漫画家・岡本一平を父に、小説家・岡本かの子を母としてこの世に生を受ける。1929年に渡仏、パリ大学で哲学、民族学を学びながら、絵を描く。41年帰国。絵画、彫刻、壁画などを制作し、また文筆活動も精力的に行った。「自分の中に毒を持て」は、前衛芸術家として生涯を貫き通した岡本太郎の赤裸々な人生論である。

自分自身と闘え

 人生は積み重ねだと思っているなら、それは大間違いだ。むしろ、逆なのだ。積み減らしていくべきなのだ。財産も知識も蓄えれば蓄えるほど、かえって自在さを失ってしまう。過去の蓄積、輝かしい業績にとらわれていると、いつの間にか身動きができなくなる。
 人生に挑み、本当に生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれ変わって自ら運命を拓くしかない。それには心身ともに無一物、無条件でなければならない。捨てれば捨てるほど命は分厚く純粋に膨らんでくる。
 自分に忠実だ、などという者に限って自分の小さな殻に閉じ籠り、決して今までの自分に決別しようとしない。自分らしくある必要はない。むしろ、人間らしく生きる道を考えねばならない。忠実の忠とは真心を尽くすという意味である。
 自分に対し真心を尽くすというのは、己に厳しく、残酷なまでに挑むことだ。すなわち、自分自身の最大の敵は社会的状況や世間ではなく自分自身というわけだ。自分という人間の全存在、生命それ自体が完全燃焼するような生き方こそが人生なのだ。己の運命を爆発させよ。

自分の人生の筋道は誰にも渡してはならない

中島 淳一 氏<

中島 淳一 氏

 たとえどんな作品でも素晴らしいと感じたら、それは素晴らしい。逆にどんなに素晴らしい作品でもつまらない精神にはつまらなくしか映らない。作品自体は少しも変わってはいないのに。
 人生も同じだ。あらゆる真実も愚劣も、結局は己において決定されるのだ。
 夢をみることはあらゆる人間の特権ではないか。その夢は全身全霊を注いでも実現しないかもしれない。しかし、挑戦したうえでの不成功者と挑戦を避けたままの不成功者の間には天と地の隔たりがある。前者には再挑戦者としての新たなる輝きが約束されるが、後者には虚しい生涯が待っているだけだ。
 臨済禅師は言った。「道で仏に逢えば仏を殺せ」と。人間存在の真実を突くあまりにも有名な言葉だ。しかし、道を歩けば仏に逢えるだろうか。逢えるはずはないのである。出逢うのは己自身でしかない。己自身に対面する。そのとき、己を殺せと教えているのだ。
 己の人生を真に貫こうとすれば、必ず命を賭けて運命と対決することになる。その時、切実にぶつかるのは己自身でしかない。己を殺す決意なき者は虚無の沼に沈むしかない。すべての運命、宇宙の責任を背負っている仏こそ己自身なのだ。それがわかれば失敗など怖れるに足りない、いや、その方が面白いとすら思えてくるだろう。
 人生は芸術だ。綺麗であってはならない。美しくなくてはならないのだ。美は無条件で絶対的なものである。ひたすら生命が開き、高揚した時に美しいという感動が起こるのだ。己自身の独自の魅力を強烈に放射せよ。

<お問い合せ>
劇団エーテル
TEL:092-883-8249
FAX:092⁻882⁻3943
URL:http://junichi-n.jp/

<プロフィール>
nakasima中島 淳一(なかしま・じゅんいち)
 1952年、佐賀県唐津市出身。75~76年、米国ベイラー大学留学中に、英詩を書き、絵を描き始める。ホアン・ミロ国際コンクール、ル・サロン展などに入選。日仏現代美術展クリティック賞(82年)。ビブリオティック・デ・ザール賞(83年)。スペイン美術賞展優秀賞(83年)。パリ・マレ芸術文化褒賞(97年)。カンヌ国際栄誉グランプリ銀賞(2010年)。国際芸術大賞(イタリア・ベネチア)展国際金賞(10、11年)、国際特別賞(12年)など受賞多数。
 詩集「愁夢」、「ガラスの海」、英詩集「ALPHA and OMEGA」、小説「木曜日の静かな接吻」「卑弥呼」、エッセイ集「夢は本当の自分に出会う日の未来の記憶である」がある。
 86年より脚本・演出・主演の一人演劇を上演。企業をはじめ中・高校、大学での各種講演でも活躍している。福岡市在住。

 
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