2024年05月24日( 金 )

長浜再開発で注目、海辺空間「ベイサイド北天神」(4)

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充実する施設群の一方で、臨港鉄道の役割は終焉

福岡競艇場(BOAT-RACE福岡)
福岡競艇場(BOAT-RACE福岡)

    なおこのころは、ベイサイド北天神エリア一帯でも、新たな開発が進んでいった。53年9月には、須崎ふ頭の基部にあたる那の津1丁目の那珂川河口で、現在は「BOAT RACE福岡」の通称で知られる「福岡競艇場」が開業。同競艇場は天神から徒歩10分程度に位置する都市型競艇場としても知られ、66年には第一スタンドが、70年には特別観覧席および第二スタンドが増設されるなど機能を拡張しながら、地域のランドマークとなっていった。

    また、福岡競艇場から那の津通りを挟んで対岸の場所には、戦災復興記念事業の一環として68年7月に須崎公園が開園。また、須崎公園隣接地では63年10月に劇場兼ホールの「福岡市民会館」が開館したほか、64年11月には図書館と美術館を併設した「福岡県文化会館」が開館。なお、福岡県文化会館は後に「福岡県立図書館」を分離して全面改装し、85年11月に「福岡県立美術館」となっている。

現在は再整備事業が進む須崎公園
現在は再整備事業が進む須崎公園

    また64年10月には博多ふ頭において、遊園地や展望温泉などを備えた民間のレジャー施設「博多パラダイス」が開業。東京タワーや通天閣などを手がけた建築家・内藤多仲氏による“タワー六兄弟”の末っ子であり、今も博多港のシンボルとして親しまれている「博多ポートタワー」は、このときつくられたものだ。なお、博多パラダイスは博多プレイランドへと改称された後、経営不振により74年には閉鎖された。その跡地には、(株)福岡放送(略称:FBS)の本社(79年3月に中央区渡辺通1丁目へ移転)が置かれていたほか、博多パラダイスの建物を転用・改装して76年5月に福岡市民図書館が開館した。なお、同図書館は老朽化・狭隘化を理由に、96年6月に早良区百道浜の福岡市総合図書館に新設・移転している。また、博多パラダイス閉鎖後に唯一残されていた博多ポートタワーは、75年4月に福岡市に移管された後、76年7月に「博多港PRセンター」として開館した。

(左)博多ポートタワー、(右上)福岡サンパレス、(右下)福岡国際センター
(左)博多ポートタワー、
(右上)福岡サンパレス、(右下)福岡国際センター

 こうした開発が進む一方で、76年5月からは博多船溜地区および那の津地区の埋立工事が着工した。博多船溜地区埋立工事は、船溜水域において官公庁船収容のための最小限の水域を残しつつ、船溜の約3分の2にあたる約4万2,000m2の公有水面を埋め立てるもので、那の津地区埋立工事は、博多船溜の埋立にともなう代替機能を確保するために、須崎ふ頭基部の約4万m2の公有水面を埋め立てるものだった。77年3月に那の津地区第1工区(1万1,163.12m2)が竣工して同年10月に中央区那の津3丁目に編入され、同地区第2工区(2万9,115.02m2)は78年3月に竣工して中央区那の津2丁目に編入された。また、博多船溜地区(4万1,841.56m2)は77年8月に竣工し、同年10月に博多区築港本町に編入された。

 なおこのころ、81年5月にはホテルとコンサートホールで構成される複合施設「福岡勤労者福祉センター」(愛称:福岡サンパレス)が開館したほか、同年10月には大型多目的ホール「福岡国際センター」が開館するなど、後のMICE集積につながる施設が相次いで誕生している。

 一方で、貨車輸送からトラック輸送への転機によって、臨港鉄道の鉄道経営収支は年々悪化。運営が困難となったことから、85年3月に長浜の福岡港駅を廃止して博多港駅に集約した。さらに86年11月に博多港駅は、貨物取扱の廃止にともない竜頭崎の新博多港駅に集約され、博多港駅は廃止に。88年3月には新博多港駅も廃止され、同年4月には福岡市場線の一部も廃止となった。88年3月の福岡市議会では、今後のウォーターフロントの再開発と交通体系の在り方から、臨港線の活用についてJR側との検討協議に入った。その結果、構内扱いで存続していた臨港線の博多港駅~福岡港駅間は、96年3月に御笠川左岸以西、97年3月には御笠川左岸以東も廃止された。

(つづく)

【坂田 憲治】

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