2024年04月14日( 日 )

【広域連続強盗事件】実行犯を「闇バイト」で募った犯罪集団(後)

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主犯格検挙の見通し

 フィリピンと日本との間には「犯罪人引渡し条約」が結ばれていない。しかし、過去の特殊詐欺グループによる事件を例に挙げると、フィリピン警察と日本の警察との間には、人脈とノウハウが構築されているため、捜査協力がスムーズに行えている。

 また、実行犯が多く、なおかつ次々と検挙されており、実行犯が指示役からのメッセージを消し忘れているケースもあることから、アカウントの特定が容易に行える。現在も早い段階から指示役と思われる容疑者まで辿り着いていることから推察すると、主犯格の早期検挙も期待できると捜査関係者は見ている。

凶悪犯罪への抑止力になるのは

 「闇バイト」で集められた特殊詐欺グループの犯行手口は、犯行現場によって実行犯を入れ換えながら広域に移動していく傾向がある。そのため実行犯たちは、個人を特定されず、検挙されにくいのではないかと安易に考えていたのかもしれない。しかし、30人超もの実行犯が迅速に検挙されていることから判断すると、本件に類似する「闇バイト」で集められた別のグループが、いくつか存在しているとしても、警察の捜査からは絶対に逃げられないだろう。

 また、この犯行のなかには強盗致死罪や強盗殺人罪にあたる実行犯がいるため、その者は、死刑または無期懲役に処せられる重罪となる。実行犯は、まったく割の合わない犯罪に手を染めてしまったのだということを認識するべきである。

防犯意識の徹底を

防犯 イメージ    今月16日に発生したJR博多駅近くで、会社員の女性がストーカーから刃物で刺されて死亡した事件をみても、警察が親身になって対応するにも、その職権には警察権の限界があることがわかる。

 今回のような一連の犯行は、ストーカー犯罪とは異なり、一般市民は事前に犯行の予兆を感じることができない。要するに、なぜ自分が被害者になったのか、まったく分からないのが特徴なのだ。

 私たちは今回の事件を他人事ではない、と教訓にしなければならない。つまり「自分には無関係な事件だ」と他人事にせず、自らの生命・身体・財産を自身で護る方法を学ぶ必要がある。

 とくに筆者が「特殊詐欺の変遷」で記した犯罪者の犯行ターゲットリストに自身が該当すると思われたら、普段の何気ない宅配業者からの問い合わせ電話、銀行や百貨店、警察その他の官公庁などと名乗る電話には、どこから自分の電話番号を知ったのかを尋ね、必ずこちらから掛け直すといった「防犯行動」をとる必要がある。

 また来客訪問時は、すぐにドアを開けず、相手に問い掛けて声をたしかめたとしても、いったんチェーンを外さないで応対するなど、まずは被害者にならないための「防犯行動」をとり、意識的に、しっかり相手を確認するというひと手間をかけることが必須であると考える。

(了)

【岡本 弘一】

(前)

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