「住みたいまち日本一」に向け筑紫野市・平井市政スタート(後)
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筑紫野市長 平井 一三 氏
1月22日投開票の筑紫野市長選で、無所属新人の平井一三氏が初当選をはたした。平井市長はこれまで、民間企業勤務や家業の経営経験、筑紫野市議会議員1期および福岡県議会議員3期務めてきた。こういった経験を生かして、新たな筑紫野市のまちづくりに取り組んでいくという平井新市長に話を聞いた。
持続可能な行政、3つのテーマ軸に
──筑紫野市のこれからのまちづくりについて、基本的な考えをお聞かせください。
平井 多くの人に選ばれるまちにしていきたいですね。現在の市の人口は10万6,417人(今年2月末時点)で、近年はわずかではありますが、増加傾向にあります。この先も増やしていくために、大きく3つのテーマを掲げています。
まず1つ目は「人材育成」の充実です。やはり一番大事なのは「人」です。これからは世界で活躍できる人材が求められます。今の日本は少子高齢化社会であり、そのためにも「子育て」「教育」が非常に重要だと思います。子育て世代の若い方々からは、より良い子育て環境を求める声も多く聞かれます。まずは、そのようなニーズに応えていくことが大事だと思っています。市外・県外の方に「筑紫野市に住んでみたい」、そして市民の方々に「住み続けたい」と思っていただけるようにしていきたいですね。
2つ目は、「スポーツを通じた元気なまち」をつくることです。県議会議員時代に多くの自治体を視察してきましたが、スポーツに力を入れ、スポーツが盛んなまちは総じて元気です。スポーツにはさまざまな競技があり、子どもから高齢者まで楽しむことができます。スポーツをすることで、子どもたちには健全育成に、高齢者の方は健康長寿にと、元気に暮らすことができます。コミュニティの形成強化にも寄与します。
しかし今は、スポーツ施設が市内に点在している状況で、環境が整っているとは言い難いです。そのため、まずはこれらの施設を整備し、もっとうまく連携させることができないかと思います。さらに、既存の体育館が老朽化しているため、新たな総合体育館の建設なども検討していきます。環境を整備することで、スポーツが盛んになれば、地域の産業、中小企業にも波及効果が期待でき、付加価値が見込めるでしょう。
3つ目は、「環境への配慮」。環境への配慮なくしては、これからの企業経営、行政運営は成り立っていかないと、今までの活動からも常に感じていたことです。環境保全と循環型社会への取り組みも重要な施策となります。また、SDGsの啓発、脱炭素社会への取り組みの強化も重要な課題の1つであると考えています。3R(ゴミの削減、再使用、リサイクル)に取り組んでいますが、今後さらに強化する必要があるでしょう。ゴミの不法投棄や産業廃棄物処理などの法令順守についても、市としてでき得る対応をしっかり行っていきたいと考えています。
今お話しした3つのテーマすべてが、持続可能な行政につながっていくと考えています。
企業も行政も市民も、変化し続けていくまちへ
──筑紫野市をどのようなまちにしていきたいか、考えをお聞かせください。
平井 生活をしていくための生業として仕事があります。生活の基盤としての仕事が得られるまちでなければなりません。筑紫野市の中小企業が元気になることが、これからの地域を支えていくうえで、非常に大切なことです。
世の中の流れがガラッと変わって、大企業の工場が急に移転や縮小してしまった場合、大きな影響を受けてしまうことになります。ですが、中小企業はさまざまな業種、業態で構成されており、ある業種が縮小、低迷しても、元気のある企業が出てくるという、ある意味で根強い構造だと思っています。中小企業には元気であって欲しいというのは、そういう理由もあります。
また当然、時代の変化に対応できるように、我々も変わっていかなければなりません。この筑紫野市の行政自体、そしてこれを支える市の職員も、変化に対応していかなければなりません。それをできるようなポテンシャルをもっていますので、職員の個々の能力をしっかり生かして変化に対応していけるよう、市役所の組織をつくっていきたいと思います。変化し続けていくまちであり、行政でありたいと思っています。
企業も行政も我々の生活も一緒なのですが、変化し続けることによってリスクに対応できるわけです。企業が変わっていくためには、ベンチャー的な考え方や取り組みもやっていかなければなりません。それには市外、県外からベンチャー企業を呼んでくるだけではなく、筑紫野市内の企業においても社内ベンチャーといった新たな取り組みを行う企業が数多く出てくることを、市としても応援していますし、育てていければと思っています。
──最後に、筑紫野市長としての今後の“夢”についてお聞かせください。
平井 まずは何でもいいのですが、いずれかの分野で「日本一」を達成したいですね。達成できれば、市民の皆さまの「自分たちのまちは日本一なんだ」という自信とプライドにつながると思いますし、日本一を目指すことをきっかけとして市民が結集する、1つの基軸になると思います。そしていずれは、市民に「住みたい」「住み続けたい」と感じてもらえる「住みたいまち日本一」というまちづくりを進めていきたいと思っています。
それを実現するためには、職員が働きがいを実感できる職場でなければならないと思います。職員の幸福は市民の皆さまの幸福でもあります。そのためにも、ともに学び合い、向上し合い、風通しの良い意欲溢れる職場をつくり上げていきます。市民や職員と一丸になりながら、これまでの経験を最大限に生かし、全力で使命をはたしていきたいと思っております。
(了)
【内山 義之】
<プロフィール>
平井 一三(ひらい・かずみ)
1954年4月、筑紫野市出身。九州工業大学を卒業後、建設会社、コンサルタント会社を経て、2004年10月に家業を継ぐ。07年4月から筑紫野市議会議員を1期務め、11年4月から福岡県議会議員を3期務める。23年2月に筑紫野市長に就任。趣味は音楽、テニス、野球など。月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
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