2024年06月20日( 木 )

23年地価調査・小倉編 上昇牽引はマンション需要(中)

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最大の繁華街・魚町

 ビジア小倉の北西、勝山通り(国道199号)の南側に位置する「魚町2-1-15」は、アパレル店などが入居するテナントビル。小型ながらアーケードの入り口にあり視認性も高いほか、百貨店・小倉井筒屋へのアクセスも良く、前年比3.3%の上昇となった。そこからすぐ西、商店街内の「魚町2-3-4」は有名寿司店やアパレル店などが入る低層のテナントビルで、こちらも3.0%の上昇となった。
 ここからさらに南側、小文字通りに出た「魚町4-3-1」は今回から基準地に加わった。同地点は1階にテナントが入るRC造・13階建の単身者向け賃貸マンション。小倉駅から徒歩圏内の商業地域であり、安定的な収益物件に対する需要がみられる。

 魚町からは、これら4地点が基準地として選定された。繁華街としてはコロナ禍の影響も薄れ、人通りは回復傾向にあることから、「長期的には(地価は)上昇基調に転じる」と評価された。平日の日中も人通りは多く、飲食店舗も多くの人で賑わっている様子がうかがえた。魚町3丁目のアーケード街にも面するテナントビル・ウオマチヒカリテラスは、17年に開業した。第8回北九州市都市景観賞・市民賞(18年)にも推薦され、「魚町の商店街から商業ビルとの間の境界空間を、円滑につないで人を誘っている」と評価を受け、一次選考を通過していた。開放的なテラス席が特徴で、魚町商店街の中心からは若干外れるものの、賑わい創出に貢献している施設だ。

 また、同じく魚町3丁目の南では、日鉄興和不動産(東京都港区)を事業協力者とする22階建の大型複合ビルの再開発計画もあるほか、小文字通りを隔てた旦過市場でも再整備が検討されており、ビジア小倉の開発と合わせて、魚町の南エリアの景色が変わりそうだ。

城下町の旧25町

 旧小倉城下25町()からは、魚町のほか京町、紺屋町、室町、田町が基準地となっている。「京町3-11-7」はJR小倉駅から徒歩数分の低層にテナントが入る賃貸マンションで、前年比3.8%の上昇となった。周辺には賃貸マンションのほか小型のオフィスビルや学校、ホテルなどが集積している。ここから小文字通りまで南下した「紺屋町9-10」は、オフィスビルに隣接する低層店舗。紺屋町エリアは「賃貸住宅などの安定的な収益物件に対する需要がみられる」と評価され、前年比9.9%上昇と区内2番目の上昇率となった。区内3番目の上昇率(9.0%)となったのは、「田町15-27」で、周辺には裁判所が近い立地であることから司法関連の事務所やマンションが建ち並ぶ。マンション用地としても需要が高く、前年を大きく上回った。

 基準地には選ばれていないものの、堺町の西側・砂津1丁目では第一交通産業(株)(福証)が、グランドパレス小倉砂津の開発を進めている。同地は、商業施設・チャチャタウン小倉やバスセンターに近く、小文字通りに面するオフィスビル跡地。約440坪の敷地にRC造・20階建、総戸数73戸の分譲マンションとなる計画で、施工は上村建設(株)(福岡市博多区)が手がけている。なお、設計はウオマチヒカリテラスも手がけた(株)久保建築設計が担う。

 こちらも基準地には選ばれていないが、小倉駅新幹線口の東側・浅野2丁目では、約880坪の敷地に総戸数150戸の19階建タワーマンション・ザ・サンパーク小倉駅タワーレジデンスの建設が、大英産業(株)とJR西日本不動産開発(株)によって進められている。線路沿いのコインパーキング跡地を開発するもので、1~2階を122区画の自走式駐車場とし、ルーフテラスやゲストルームも備える。最上階は「億ション」として販売されるという。このように、小倉駅周辺では高層のマンション開発も散見される状況となっている。

(※)【旧小倉城下25町】
京町・博労町・船頭町・舟町・船場町・古船場町・新魚町・魚町・西魚町・鳥町・大坂町・宝町・米町・鍛冶町・西鍛冶町・堺町・紺屋町・西紺屋町・馬借町・室町・八百屋町・大門町・堅町・田町・鋳物師町 ^

(つづく)

【永上 隼人】

(前)
(後)

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