2024年05月05日( 日 )

23年地価調査・小倉編 上昇牽引はマンション需要(後)

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小倉駅エリア外

 小倉駅エリアから目を移すと、西側の「中井1-26-4」は前年比1.8%上昇した。国道199号に面する低層店舗で、国道沿いには店舗が建ち並ぶが、国道から入ると低層の住宅地が広がっている。南側の「足原2-3-28」は9.0%の上昇となった。幹線道路に面するクリニックで、こちらも低層の住宅地が広がるエリアだ。中心部のマンション開発が活発になってきたことや、22年にエリア内で企業の本社ビルが竣工したことなどで、中層化が進んできた影響から大幅な上昇となった。

 モノレール・片野駅から徒歩3分の「片野3-4-24」は低層にオフィスが入る賃貸マンションで、8.5%の上昇となった。モノレール沿いということもあり、周辺にはマンションなど中高層の建物が建ち並ぶ。また、住宅地にカテゴライズされた「片野新町3-3-3」も7.7%上昇、同じく「片野新町1-12-5」も5.0%上昇と高い評価を得た。平米単価も小倉北区の住宅地16地点中で2トップとなった。

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 魚町など一部の繁華街に限っていえば、コロナ禍が明けて人流が回復したことが地価上昇に影響した。しかし、その他の多くの地点では、マンション需要の高まりが最も影響したと言ってもいいだろう。さらに、今回はコクラ・クロサキ リビテーションによる容積緩和への期待も盛り込まれた地価評価となっている。ただ、新規の大型オフィスビル開発計画の続報は聞かれず、開発におけるプレイヤーの多くはマンションデベロッパーで、次回以降の地価調査への影響は限定的になっていくとみられる。

 前出の地場不動産業者の声のように、小倉というまちの風情は特徴的で、「残したい」と願う市民も少なくないはずである。響きや手離れの良いものばかりでなく、行政は地域に根ざしたエリアマネジメントを地元とともに行っていくべきだろう。

(了)

【永上 隼人】

(中)

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