2024年10月15日( 火 )

総裁選で急浮上の高市大臣を政策パンフ郵送問題が直撃

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 9月20日に行われた高市早苗経済安保担当大臣の会見で、自民党総裁選の政策パンフ郵送問題と統一教会問題について質問をした。大臣としての資質に欠くのではないかとの指摘から聞いてみたのである。

高市早苗経済安保担当大臣    ――大臣としての資質、情報収集能力、危機管理・予測能力が欠けているという観点で、総裁選政策パンフ郵送問題について聞きますが、(総裁選候補の)他陣営から批判が集中している。結果的に一候補だけ郵送したということについて、他陣営の情報・動向調査とかをすべきだったという自覚や反省はないのか。情報収集能力、危機管理予測能力に欠けていたという自覚はないのか。

 高市 官庁の建物のなかで総裁選挙に関する質問については答えないこととしている。

 ――大臣の資質に関する(質問)ではないか。

 高市 「他陣営も送られた」ということを早く情報収集していたのかという質問か。

 ――他の陣営は(政策)パンフを送らない判断をしたところもある。8月20日の段階で(総裁選の)選管がお金のかからない選挙にするのだという情報が示唆されていたのに、大臣だけが郵送、抜け駆け状態になったと。

 高市 別に1人だけ郵送したわけではないが、そういう(政策パンフ郵送禁止の)情報を私はもっていなかった。9月4日に通知をもらったが、党の行事に関わることなので、これ以上、官庁のなかで答えることはできない。

 この質疑応答について翌21日の毎日新聞は、「『郵送私だけじゃない』 政策リーフレットで高市氏」と銘打って次のように報じた。
「自民党総裁選に立候補した高市早苗経済安全保障担当相は20日の記者会見で、自身の政策リーフレット郵送に関し『1人だけ郵送したわけではない』と述べた。高市氏以外のどの候補が郵送していたのかは言及せず、他の陣営から批判が出そうだ」

 この記事は受けて私は、24日の会見で高市氏以外のどの候補が郵送していたのかを聞いたが、「泥仕合になるので答えない」と他候補の名前をあげることを拒否した。「本当は高市氏1人だけ郵送したのに、他候補もしていたという虚偽答弁で批判を和らげようとしたのではないか」という疑いは払拭できなかったのだ。

 20日の大臣会見では、同じ観点から統一教会問題についても聞いてみた。

高市早苗経済安保担当大臣    ――統一教会問題で安倍元総理に「身辺に危険がおよんでいる」「韓国教団に高額献金をしている被害者に恨まれる」という警告や助言はなされなかったのでしょうか。これも大臣としての資質(情報収集能力、危機管理予測能力)が問われる問題だと思うので。

 高市 (首をひねりながら)安倍総理に対して?

 ――(統一教会と)安倍総理(当時)とのズブズブの関係が朝日新聞で写真が報道されたではないか。それを受けて、安倍政権・菅政権・岸田政権とズブズブの関係が続いていた、組織的関係が続いていたことを受けて、「(統一教会への高額献金被害者から)恨みを買って最悪の事態を招く」ということは予測できたのではないか。これも危機管理能力の不足ではないかと思うが…。

 高市 予測できましたか。こういう大臣としてというか、政府として予測できていたらすべての街頭演説を止めることになっていたのではないか。当時、私はそういう立場にいなかった。おっしゃっている意味がよく分からないが…。

 ――統一教会との関係断絶をもっと早く安倍総理に進言していれば、こんな事態を招かなかったのではないかということを聞いている。「街頭演説を中止する」のではなくて、(統一教会との)関係断絶をもっと早く(安倍元首相に進言しなかったのか)。2013年から23年の参院選までずっと(自民党と統一教会の)ズブズブの関係が続いて、統一教会の比例票を割り振りしていたわけではないか。そういう情報をキャッチしていれば、高額献金の被害者から恨まれて、こういう事態(銃撃事件)を招くことは十分予測できたのではないか。

 高市 それは所管大臣になったことがないので、文部科学大臣もしくは国家公安委員長にお尋ねください。

 ――トップとしての資質(情報収集能力、危機管理予測能力)を聞いているのだが…。

 高市 無言(司会者が「ほかの方も手が上がっていたので」と言って私との質疑応答終了)。

 本命だった小泉進次郎氏の失速で、石破茂氏と高市氏の決戦投票となる可能性が高まっているが、そんななかで、政策パンフ郵送問題が浮上。「1人だけ抜け駆けをした」「ルールが守れない人にルールを守る政治はできない」といった批判が高市氏に対して相次いでおり、決選投票のマイナス要因になるのは確実だろう。27日投開票の総裁選の結果が注目される。

【ジャーナリスト/横田一】

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