「石破おろし」に動き出した麻生太郎氏~減税を牽制する発言も

 自民党の麻生太郎最高顧問は3日、横浜市で開かれた派閥「志公会」(麻生派)研修会で、党則に基づく臨時総裁選の実施を求める考えを明らかにした。

 「総裁選の前倒しを要求する書面に署名、そして提出すると決めている」と述べ、所属議員に対しては「堂々と胸を張って説明できる行動をお願いしたい」と発言。ただし、派閥としての統一行動を求める発言はなかった。

 自民党の派閥は、裏金問題で国民から批判を浴び、旧安倍派(清和政策研究会)、岸田派(宏池会)をはじめ各派が解散を余儀なくされた。麻生派のみ、裏金への関与がなかったことや、派閥が人材教育につながることなどを理由に解散しなかった。派閥解散に同調しなかったことで、麻生氏は当時の岸田文雄首相と距離感が生じるようになった経緯がある。

 また、減税についても言及し「少子高齢化のなかで増え続ける社会保障費をみなで負担し合うことは、与野党の垣根を越え、日本の将来という大局に立って決断されたのではなかったのか」と減税に否定的な見解を示した。

 さらに「将来世代につけを回すことに違和感を持つ人は数多くいる」と述べ、立憲民主党・国民民主党の支援団体である連合の芳野友子会長も減税に否定的だと紹介するなど、財政規律重視の姿勢を示した。

 臨時総裁選の実施は、党所属国会議員(295人)と都道府県連の代表者(47人)の総数の過半数(172人)の賛同が必要となる。党総裁選挙管理委員会は8日に総裁選実施要求数を確認することとなっている。

 いよいよ「9月政局」が動き出した。今後の展開が注目される。

【近藤将勝】

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