2024年03月29日( 金 )

手を携えて進む 香椎浜開発計画

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西武ハウス(株) 代表取締役社長 豊福 清 氏
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(株)旭工務店 代表取締役社長 吉弘 直彦 氏

 福岡都市圏で最大級のマンションを開発する西武ハウス(株)。そして、その開発の施工を引き受ける(株)旭工務店。経営者同士の固い絆で知られる両社が一大事業として取り組んでいるのが、香椎浜のマンション開発だ。リーマン・ショックの影響で頓挫していた計画を見事に受け継ぎ、福岡のマンション事情に新たな地平を切り拓く両社の代表に、その思いを語り合っていただいた。

(聞き手:弊社代表・児玉 直)

リーマン後の9年をプラスに変えた両社

 ――現在の福岡は、「建設バブル」「マンションバブル」という人もいるほど、活況を呈しています。

左)西武ハウス(株)・豊福社長
右)(株)旭工務店・吉弘社長

 豊福 人口も増えていますね。それにより、マンション需要も堅調です。中央の大手デベロッパーによる福岡進出も目立っていますが、それほど魅力的な市場に見えるのでしょう。

 ――しかし、わずか9年ほど前には、リーマン・ショックによる建設不況が吹き荒れました。08年に、香椎浜で総計300億円という大プロジェクトを進めていたユニカが資金ショート、プロジェクトは頓挫してしまいました。

 豊福 当初、ユニカさんの開発構想が報道されたときは「すごい計画だな」と思いましたよ。その後、あのような経緯になるとは思いもしませんでした。

 ――リーマン・ショックは福岡の建設業界に大きな爪痕を残しましたが、西武ハウス・旭工務店ともに、この10年はしっかり地歩を固めることができました。このユニカのプロジェクトを引き継いだのが西武ハウス、その建設を請け負ったのが旭工務店ですね。

 吉弘 私たちはこの9年ほど、次の世代に事業をどう引き継いでいくかを考えてきました。このように先のことを考える余裕ができたのも、西武ハウスさんを始め、発注をくださる会社のおかげで業績が安定しているからです。

広い居室で新たな需要に応える

 ――香椎浜でのマンション開発では、西武ハウスと旭工務店はまるで共同事業であるかのように、足並みをそろえて進めています。まず豊福社長、香椎浜をどのようなまちにしたいと考えておられますか。

 豊福 11月中旬に竣工予定の「モントーレ香椎浜サーフタワーイーストウイング」はすでに完売(キャンセル待ち受付中)。すでにご入居いただいている「モントーレ香椎浜サーフタワーウエストウイング」とともに、世帯の人数は2~3人を想定していました。間取りとしては2LDK中心です。しかし実際は、3LDK、4LDKなどの広めの居室がほしいという強い要望があったのです。

 そこで、現在香椎浜のE区画で企画している新しいマンションでは、発想を大きく変えました。居室の広さは平均84m2、最も広い居室は150m2を超えるサイズになります。都心部で狭い部屋に住むのか、香椎浜で広い部屋で暮らすのか。広めの居室を増やし、都心と同じ価格帯で提供することで、お客さまに選んでいただけるようにしたいのです。

 ――香椎浜から天神・博多へのアクセスは、やはり都市高速を通るバスでしょうか。

 豊福 そうですね。天神・博多、および空港へのアクセスは都市高速を通るバスで15分程度と大変便利です。都市高速は今後、アイランドシティまで延伸しますが、これも香椎浜にとっては非常に大きなプラスになります。

 ――吉弘社長、このような一大プロジェクトを手がけられるというのはいかがですか。

 吉弘 香椎浜は実家も近く、住んでいたこともあるので思い入れがあります。香椎浜は都心部や空港、博多港など、主要な目的地へのアクセスが大変容易で、利便性は最高ですね。自分自身、年齢を重ねるに従ってよくわかったのですが、やはり年配の方が毎日行き来する範囲には、坂が少ないほうが良い。買物をして、たくさんの荷物をもって坂道を上るお年寄りの姿を見ると心が痛みますね。理想は、住んでいるマンションの1階にスーパーがあることです。そこまでではないですが、香椎浜のモントーレマンションでは、すぐ目の前にイオンモール香椎浜があります。理想の住まいに非常に近い状態が実現していると思いますよ。

 豊福 さらに、E区画の新マンションでは2世帯による居住も想定に入れた間取りを取り入れます。これだけの広さがあれば、問題なく2世帯住宅として活用できるでしょう。今回の物件では、この新しいニーズに応える自信があります。販売価格はまだ決まっていませんが、できるだけ抑えたいと考えています。

さらなる魅力を備える香椎浜のランドマークに

 ――マンションに対する需要が多様化している今日、住環境に恵まれ、福岡都市圏への利便性が高い香椎浜に、多くの世代の需要に応えられるようなマンションができる、というのはすばらしいことですね。

 吉弘 香椎浜からは海も見える、山も見える。そういう意味では、香椎浜はリゾートとして見てもすばらしいロケーションだといえるのではないでしょうか。
 豊福 対岸のアイランドシティの整備も進み、ショッピングモールや飲食店、病院など生活インフラも整い、生活を楽しむ場としての魅力も高まっています。

 ――モントーレシリーズが新たなランドマークとなる香椎浜の開発を、西武ハウスと旭工務店が手を取り合って進めています。今後も、福岡の住宅事情を両社の力で切り拓いてください。

【深水 央】

<COMPANY INFORMATION>
西武ハウス(株)
代 表:豊福 清
所在地:福岡市中央区長浜3-16-6
設 立:1985年7月
資本金:3,000万円
売上高:(18/2)116億5,444万円
TEL:092-718-0075
URL:http://montre21.com

<COMPANY INFORMATION>
(株)旭工務店
代 表:吉弘 直彦
所在地:福岡市博多区博多駅南5-10-13
設 立:1953年9月
資本金:1億2,000万円
売上高:(17/8)106億4,292万円
TEL:092-431-4131
URL:http://www.napsnet.co.jp

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