2024年04月25日( 木 )

【特別対談】最大のテーマは駅前再整備と企業誘致(前)

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 7月末、県内最年少市長である古賀市長・田辺一城氏と、3期目を迎えた衆議院議員・宮内秀樹氏の対談が実現した。テーマは「地元古賀市をこの先、どのようなまちにしていきたいか」――。対談は、田辺市長の方針・提案について、宮内議員が評するかたちで進んでいった。田辺市長が目指す、駅を中心としたまちづくりとは――。

(聞き手:弊社代表・児玉 直)

衆議院議員・宮内 秀樹 氏
古賀市長・田辺 一城 氏

 ――今回の対談では、お2人がどのようなまちづくりを目指していこうとしているのか、大いに議論していただきたいと思います。

 田辺市長 まず古賀市の現状を申し上げると、議会でも表明していますように、“街の顔”となるJR古賀駅の周辺エリアの再整備が最重要課題です。私の育った商店街のある駅西口にも再整備の余地はありますが、まずは東口の再開発に着手していかなければなりません。ニビシ醤油さんを始めとする地権者の皆さまに、再整備のイメージをしっかりとお伝えしていく必要があります。

 ――具体的なイメージは、どのようなものになるのでしょうか。

 田辺市長 市長就任後、具体的なイメージ図の作成に取りかかっているところでして、今年度中には示せるようにします。

 大まかには5~10年をかけて、駅東口に回遊性のある“商機能”をもったゾーンをつくるとともに、居住できる空間も配置しながら、観光や物産の情報発信の拠点も設けたいと考えています。これによって、街の中心的施設「リーパスプラザこが」の交流館、ホール、図書館をつないでいくイメージをもっています。さらに、それと連動させて西口の古賀駅前商店街の再整備も行っていきます。こうした駅前再整備は、必ず進めていかなければならないと思っています。

 ――企業誘致についても、市長は言及されていますね。

 田辺市長 市にとって、駅前再整備に続く課題が、産業機能の強化だと考えています。古賀市は九州自動車道・古賀ICを擁するなど交通の要衝であり、多くの企業に立地していただいています。とくに、食料品分野の工業製品出荷額は県内2位の実績があり、工業団地では国内有数の食品メーカーが稼働しています。玄望園地区の区画整理事業も今年度中に造成を終え、物流関連施設を中心に進出していただく計画です。

 私の県議時代から多数のビジネスニーズはお聞きしていましたし、さらなる企業誘致を進めていきたいところですが、問題は事業用地が足りないこと。ポイントになるのは、古賀工業団地に隣接する今在家(いまざいけ)地区と新原高木地区です。両地区とも現況は田畑ですが、これを事業用地として整備していきたいと考えています。そういう意味では、古賀市のポテンシャルはまだまだ高い。すでに稼働していただいている工場には老朽化しているところもあり、代替地としても検討できると思います。

 ただし、いつまでに確実に用地を確保できるか、これを確実なものにしないと企業からは相手にされません。行政が企業の時間軸に合わせて動かないと、最高の成果は得られないことは身に染みて感じています。任期4年目にあたる年には、新たな事業用地の造成工事に取り掛かりたいですね。

(つづく)
【東城 洋平】

<プロフィール>
衆議院議員・宮内 秀樹(みやうち・ひでき)

 1962年10月、愛媛県松山市出身。青山学院大学経営学部を卒業後、85年に愛媛県選出の国会議員・元総務庁長官の塩崎潤氏の秘書として政治の世界に入る。その後、塩崎恭久・元官房長官や渡辺具能・元国土交通副大臣の秘書を経て、2012年12月の衆議院議員選挙で初当選。現在3期目。

<プロフィール>
古賀市長・田辺 一城(たなべ・かずき)

 1980年5月、古賀市出身。福岡県立福岡高等学校、慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、2003年に毎日新聞社入社。11年4月に福岡県議会議員選挙に初当選し、県議を2期務める。18年12月に古賀市長に就任。現在1期目。

(中)

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