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2019年10月17日 10:45

【凡学一生のやさしい法律学】関電報告書の読み方~関電疑獄を「町の法律好々爺」凡学一生がわかりやすく解説(1)

はじめに

 関電疑獄は独占(官営)大企業(電力事業・原子力発電事業者)関電における底知れぬ無法経営を露呈してきた。その無法経営を法的側面で支えたのが一群の法務担当職員である。もちろんその中心人物がヤメ検弁護士である。元助役・森山栄治氏(以下M)による20年前の贈賄申込事件が改めて報道されるなど、その違法乱脈経営の時間的空間的広がりは底知れないものとなっている。

 そのような状況下で、政治家への献金問題波及はすでに政府与党と官僚組織によって隠ぺい遮断されているとの元経済産業省官僚・古賀茂明氏の卓見は傾聴に値する(「封印された関電疑惑の政治家ルート」)。

 氏の指摘でも明らかなように、関電疑惑の超一級証拠はMが作成記録した賄賂提供記録(以下Mメモ)であり、国税当局が査察の根拠資料とした証拠である。これが、隠蔽され続ける限り、日本は無法国家であり、賄賂横行国家である。国民は、誰がこの超一級証拠を隠蔽しているかに注目しなければならない。

 日本のマスコミはほぼ全社、この超一級証拠の行方には無頓着である。現在、Mメモは国税当局が差し押え、押収している。これは本来私物であるから、将来はMの遺族に返還されてしかるべきものであるが、当然当局は所有権放棄を遺族に勧め、闇に葬られる運命にある。

 日本の政治史上でも超一級の資料となるべきものであるから、税務当局、つまり政権与党によって、闇に葬られないよう、野党の政治家は奮闘しなければならない。

 しかし、野党議員は、その闘争手段を知らないし、勉強しようともしない。最低でも情報公開請求を継続しなければならない。必要な発言も行動もしなければならない。

 また、もう手遅れかもしれないが、遺族による所有権放棄を阻止しなければならない。もしすでに所有権放棄をしていれば、錯誤による取消を行い、当局に返還請求することである。拒絶されれば当然、行政訴訟で対抗する。国民にとっては国宝級の証拠資料であるから、絶対に政権与党によって闇に葬られないようにすることは野党議員の最小限の義務といってもよい。

 権力者の違法犯罪行為を証明する証拠の隠蔽が権力者・政権与党によって行われる限り、日本は文明国の名に値しない。国民もそれを許してはいけない。

 今回判明した7年間にわたる贈収賄事件についてだけでも、法務担当職員の反社会性は言語に絶する。なぜこのような大規模な社会犯罪が成立するのか。

 それは、最終的には国民が、日本を法治国、民主主義国と思い込まされていること、不都合な真実が社会のあらゆるところで隠蔽されている事実についてまったく無知・無関心であることが原因である。読者には、常にこのような自覚をもって以下の解説を読んでいただきたい。

 本件内部調査報告書(以下同書)において、Mの傍若無人ぶりは関電社内では公然の事実であり、多数の社員によって情報共有され、伝承されてきたという。これは同書に記載された内容であるが、この事実が極めて重大な違法事実・腐敗を自白しているとは同書のヤメ検弁護士をリーダーとする3名の弁護士も気付いていない。

 Mが関電社屋を訪問する目的は賄賂の提供、発注工事の事前情報の取得(関電の不正行為)であるから、傍若無人の行為があればあるほど贈賄行為・不正行為はあったことになる。それを収賄者の役員重職者のみならず、窓口平社員まで知っていたのだから、Mの贈賄行為にともなう多数の傍若無人の行動を多数の平社員も共有していたとの同書の主張は、もはや関電社内ではMの賄賂提供および収賄幹部による不正行為は公然の事実であったことをいみじくも示している。

(つづく)

▼関連リンク
関西電力の隠蔽体質は不変~渡された菓子折り、底に金貨(前)
日本文明の恥~関電疑獄事件
関電疑獄(1)~裏切り防止の「毒饅頭」

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