2024年04月26日( 金 )

楽しみながらできる! 歩くだけで心身を元気に(前)

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(株)WALK&WALK

 歩くことで自身がウツを克服した経験から、ウォーキングを中心とする健康経営の支援やコンサルティングを行う(株)WALK&WALK(ウォークアンドウォーク)代表取締役・我妻啓子氏。歩くことで体の健康だけでなく、多くの人の心の不調も元気にしてきた。健康経営を長く続けるためには、まず「モチベーションアップ」が欠かせないという。

ウォーキングで体の不調を改善

 楽しみながらできることが健康経営を続けられる一番の秘訣ではないか、と話すのは(株)WALK&WALK(ウォークアンドウォーク)代表取締役・我妻啓子氏だ。我妻氏は、経済産業省の健康経営優良法人や横浜健康経営認証を取得している企業の経営者や管理職から依頼を受けて、健康経営コンサルティングやセミナーを行っている。「会社として健康経営をするにあたり、具体的に何に取り組んだらいいのか悩んでいる企業が多い」と我妻氏は話す。

 健康経営の支援事業として行っているのがウォーキング講座だ。講座では、日常の仕事のなかでウォーキングを取り入れる方法を伝えている。姿勢を保ち無理なく歩けるようになると、体に無駄な負担が掛からなくなり、体の不調が改善される。「ベルトの穴が2つ小さくなった」などのダイエット効果もある。さらに、営業など人と接する場面でも印象が変わり、仕事へのモチベーションや集中力も上がるため、ビジネスにもプラスになっているという。我妻氏は、整体を学んだ経験を生かして、歩く時の足の使い方からストレッチ方法までトータルで伝えている。

数字で見える化、継続率をアップ

 健康に関心がある層は、成人のおよそ3割とも言われており、関心をもっていない人にいかに健康に関心をもってもらうかは、健康経営に取り組む多くの企業の課題でもある。

 「慣れない人にとって運動はきついイメージがあるので、まず1カ月は簡単にできることから始めている。ウォーキングでは、姿勢を整えることよりもまずは体を動かしていくことを大切にしている。たとえば顔を上げて歩くと目線も上がり、体幹が鍛えられて自然に姿勢がよくなる。体をうまく動かせると姿勢も整うからだ」と我妻氏はいう。

 また健康にいいウォーキングを始める時も続ける方法を見つける工夫が必要だ。「取り組みの前後で目に見えて体が変わると、モチベーションアップにもつながる。たとえばウォーキング講座の前後で姿勢の写真や動画などで見てもらったり、数値化して見てもらったりすることで、続けるメリットが伝わりやすく継続率も上がるのではないだろうか」と我妻氏は話す。

 健康経営は、なかなか効果が見えにくいと感じている経営者も多いという。そのため、ウォーキング講座では体成分分析装置InBody(インボディ)で筋肉や脂肪の量などを測ることで、これから取り組むべき課題を数字で「見える化」している。さらに、数字として見ることで、もう少し歩けばもっと健康になるのではないかと前向きな気持ちが高まる効果もある。

 現代人は1日7,000歩ほど歩いているのに対して、江戸時代の人は1日3万歩も歩いていたという説もある。「当時とは生活スタイルが変わったが、いつもより1日1,000歩、10分くらい長く歩くようにするとウォーキング効果が実感できる」と我妻氏はいう。

 健康経営を続けるうえでは、多くの社員が参加しやすい体制づくりも欠かせない。時間を取るのが難しくなりがちではあるが、就業時間内に行った方が続けやすいという。昼休みを少し早めに終わらせて、休憩の延長で健康経営プログラムに取り組むのが良い。やはり、就業時間外に行うと参加者が集まりにくい傾向があるという。

(つづく)
【石井 ゆかり】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:我妻 啓子
所在地:神奈川県横浜市中区日本大通7日本大通7ビル4F
設 立:2015年12月
資本金:300万円
売上高:(19/9)1,200万円

(後)

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