【天神ビッグバン2020】さらなる容積率緩和や期間延長も コロナ禍で新設オフィス需要に暗雲(5)
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エリアの東と西で一体開発が相次ぐ
エリア内の東と西とで、2つの一体開発が進められようとしている。
先行して天神1丁目で進められている「(仮称)福岡天神共同プロジェクト」は、昭和通り沿いの「福岡三栄ビル」(所有:積水ハウス(株))と、その南側に隣接する明治通り沿いの「日本生命福岡ビル」(所有:日本生命保険)を一体開発しようというもの。
地上6階・地下2階建て、延床面積約1万1,330m2の福岡三栄ビルは63年9月竣工で、日本生命福岡ビルは地上9階・地下2階建て、延床面積約1万1,500m2で66年3月竣工と、両ビルとも築50年以上が経過して老朽化が進んでいたことで、天神ビッグバンの優遇策を活用した再開発を検討。積水ハウスと日本生命保険とで共同での建替えに向けた協議を行い、一体開発に向けての共同プロジェクトが実現した。
両ビルの敷地間には市道を挟むものの、一体開発となれば、昭和通りと明治通りをつなぐ大型複合ビルが誕生する。すでに両ビルは閉鎖され、解体工事に着手。建替え後の新ビル開業時期は、未定となっている。
なお、両ビルの東側には、昭和通りと明治通りをつなぐ一方通行の長さ約100m・道路幅4mの市道「水鏡壱番通り」が通っているが、南側の都市計画道路「天神通線」を延伸するかたちで、水鏡壱番通りも道路幅20m程度に拡幅整備される予定。天神エリアの幹線道路である「渡辺通り」の渋滞緩和にも寄与することが期待されている。
もう1つの一体開発は、天神2丁目の明治通り沿いに位置する、「天神西通りビジネスセンター」(所有:福岡地所)と「住友生命福岡ビル」(所有:住友生命保険)の2棟を建て替えて一体開発するもの。78年11月竣工で地上12階・地下2階建て、延床面積約1万m2の天神西通りビジネスセンターと、68年12月竣工で地上8階・地下2階建て、延床面積約1万1,000m2の住友生命福岡ビルには現在、ともに店舗やオフィスがまだ入居中。両ビルの閉鎖および解体時期や新ビルの完成時期は未定だが、福岡地所と住友生命保険とで共同再開発する方針で調整しているとされ、再開発後も商業とオフィスの複合ビルになると見られている。
また、市決定の「福岡広域都市計画天神明治通り地区」の地区計画(変更)によると、立地する天神2丁目南ブロック(明治通り沿道)では、新たな地下通路を設置する計画で、天神西通り側まで地下からアクセスできるようになるほか、出入口付近には地上部・地下部に広場が設けられる。
(つづく)
【坂田 憲治】
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