2024年05月27日( 月 )

地域の守り手として大分県建設業協会の役割と実績(前)

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(一社)大分県建設業協会

新3Kを目指して

 日本全国で、年々激甚化・広域化している自然災害。九州においても、熊本地震(2016年4月)、九州北部豪雨(17年7月、19年8月)、令和2年7月豪雨(20年7月)と、「数十年に一度」と表現されるレベルの災害が、ほぼ年に一度のペースで発生している。

 安心・安全な暮らしの基盤であるインフラの整備・保守、そして災害時の復旧作業。これらすべてに関わる「地域の守り手」である建設業者の存在は、私たちにとって、より身近なものとなった。

働きやすい建設業界を目指し『4週8休』を推進している
働きやすい建設業界を目指し『4週8休』を推進している

 (一社)大分県建設業協会は、1948年4月に大分県土木建築協会として設立以来、70年以上にわたって地域に密着した活動を行ってきた。現在の会員数は518社(21年3月1日時点)。同協会の主たる目的は、建設業界を技術的、経済的および社会的に向上させることで、業界の健全な発展を図り、公共の福祉の増進に寄与すること。この目的の達成により、業界全体の課題でもある「若い技術者や技能工などの担い手不足の解消」や、災害発生時の「迅速で効果的な災害対応」を実現し、さらなる地域貢献をはたしていく方針だ。

 具体的な取り組みとして、同協会では新3Kと呼ばれる「給料」「休日」「希望」を与えることのできる建設業界を目指し、発注者である国や県などに対して、入札契約制度をはじめ、さまざまな改善を要請している。また、労働局などとも連携して、「4週8休」の推進など、自らも若者や女性が働きやすいワーク・ライフ・バランスの実現に取り組んでいる。

業界のやりがい・魅力発信

 県内の土木建築学科などの高校生を対象にアンケートを実施したところ、建設業に対するイメージでトップに挙がったのが「災害復旧での活躍」だった。この結果を受け、同協会では地域の安心・安全を守る建設業というやりがいや魅力の情報発信に注力。16年11月には、産学官連携による「おおいた建設人材共有ネットワーク(BUILD OITA)」を設立し、学校や関係機関との連携を強化して、インターンシップ事業や魅力発信動画の制作などに取り組んでいる。

 その一方で、毎年のように発生する風水害や将来の南海トラフ地震などに備え、地域の守り手として建設業に期待される役割は重要度を増している。こうした状況のなか、17年4月、同協会は災害対策基本法に基づく指定地方公共機関に指定された。

 これを受け、同協会では有事の応急態勢を強化し、災害対応力を向上させるため大規模災害防災業務計画と大規模災害時行動マニュアルを策定。災害時の体制や被災支部への応援、関係機関との連携強化に努めている。その後に発生した九州北部豪雨(17年7月)、台風第18号(同年9月)は、これらの計画やマニュアルに沿って対応した初めての災害となった。

九州北部豪雨での対応(2017年7月)

日田市小野地区:山の斜面が崩壊し川に土砂ダムが発生
日田市小野地区:山の斜面が崩壊し川に土砂ダムが発生

 大分県内では初となる大雨特別警報が県内15市町に発表された。県西部の日田市では、午後11時までに24時間雨量が観測史上最大となる329.5mmを記録し、記録的短時間大雨情報が発表された。日田市では山間部の小野地区で高さ200m、幅300mにわたって大規模な斜面崩壊が発生。このほか、一級河川・花月川の増水によりJR久大本線の鉄橋が流失するなど、被害総額は県内全体で約300億円に上った。

斜面崩壊現場で道路応急復旧工事を行う会員企業(大分県建設業協会提供)
斜面崩壊現場で道路応急復旧工事を行う会員企業
(大分県建設業協会提供)

 大分県建設業協会各支部では、激しい雨が降りしきるなか、会員企業が道路のパトロールや通行止め規制、落石除去などの作業を懸命に行った。被害が集中した日田支部では、直ちに支部災害対策本部を設置し、原田安泰支部長の指揮の下、支部会員全71社が一丸となって災害対応にあたった。また、孤立地域への仮設道路開設工事や河川の応急工事、流木等の災害廃棄物の回収・廃棄作業を不眠不休で実施。いつまた土砂が崩れるかわからないなかでの重機の作業は命がけであったが、長年培った技術と経験がこれを支えた。

 このような支部会員の懸命な努力によって、孤立地域の解消や花月川の復旧工事は、当初の予定より3日程度早く完了。発災1カ月後には、日田市内全域の災害ゴミの回収作業を終了した。

(つづく)

【代 源太朗】


<INFORMATION>
(一社)大分県建設業協会

所在地:大分市荷揚町4-28
TEL:097-536-4800
FAX:097-534-5828
URL:http://www.oitakenkyo.or.jp

(後)

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