2024年04月26日( 金 )

苅田若久高架橋が開通、北九州空港のアクセス向上へ

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苅田若久高架橋(写真提供:福岡県県土整備部)
苅田若久高架橋(写真提供:福岡県県土整備部)

 福岡県が管理する県道「新北九州空港線」の苅田若久高架橋(苅田工区)が5月30日、開通した。延長は1.1km(高架橋区間は482m)で、幅員は6.5m(2車線)、平面道路と高架橋の路面高の差は最大で約12m。事業費は約47億円。

 新北九州空港線は、北九州空港や臨海工業団地と東九州自動車道・苅田北九州空港ICを結ぶ延長約7.7kmのルートで、2006年に4車線(片側2車線)で暫定供用を開始した。平面道路区間4.2kmと海上(連絡橋)区間2.1kmから成る。

 新北九州空港線は、平面道路区間で国道10号、県道門司行橋線、町道と平面交差しているが、県道と交差する空港IC入口交差点付近で慢性的な交通渋滞が発生していた。とくに朝夕のラッシュ時には約120mの車列が並んだ記録もある。

苅田若久高架橋のルート(福岡県資料より)
苅田若久高架橋のルート(福岡県資料より)

 新北九州空港線のアクセス向上をめぐって、「九州の自立を考える会」(会長=藏内勇夫・福岡県議)は14年、福岡県に対し対応を提言していた。同年、県が策定した「福岡県の空港の将来構想」のなかでも、空港と苅田北九州空港ICまでの定時性の確保、時間短縮ができるよう、交差点を越える自動車専用の連絡ランプを目指す旨が明記され、県として事業化した。県では、対応策を比較検討した結果、高架橋建設による立体交差事業を16年4月から着手した。

 高架橋の工事のハイライトとなったのが、交差点直上部での橋梁上部工の架設工事だ。架設に際しては、工事現場近くに作業ヤードを設け、メタルの橋桁をあらかじめ組み立てておいた。夜間通行止めを含む交通規制を行い、多軸台車に積載し、一晩で一括架設した。

 開通による時短効果は「3分程度」としている。県土整備部の担当者によれば、「時短効果に加え、通過車両が高架をスムーズに移動できるようになったことで、さらに立地する地域にとっても相応の付加価値が期待できる」と話している。

多軸台車による夜間一括架設の様子(写真提供:福岡県県土整備部)
多軸台車による夜間一括架設の様子(写真提供:福岡県県土整備部)

【フリーランスライター・大石 恭正】

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