22年度、ついに延伸開業 地下鉄・七隈線が博多駅へ(4)
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延伸で弾みが付くか!?博多コネクティッド
延伸により七隈線の終着駅となる博多駅は、JRをはじめ新幹線、地下鉄空港線、バスなどのさまざまな交通機関が集積する福岡市随一のターミナル駅だ。その周辺では現在、福岡市の再開発促進プロジェクト「博多コネクティッド」が進行している。
19年1月に始動が宣言された同プロジェクトは、地下鉄七隈線延伸やはかた駅前通り再整備などの交通基盤の拡充と合わせて、容積率などの規制緩和によって、耐震性の高い先進的なビルへの建替えを促進し、歩行者ネットワークを拡大するとともに、歴史ある博多旧市街との回遊性を高めることで都市機能の向上を図っていくもの。対象エリアは、博多駅から半径約500mの約80ha。天神地区で進められている再開発促進プロジェクト「天神ビッグバン」の博多版といっても差し支えないだろう。
その博多コネクティッドにより、博多駅前・博多口側のランドマーク的存在だった「西日本シティ銀行本店ビル」は、すでに解体がほぼ完了している。外壁全面が茶褐色のインド砂岩で覆われていた特徴的な外観のビルは姿を消し、今後は同敷地に新本店ビルが建てられる予定となっている。新本店ビルは、地上1階部分がにぎわい創出に寄与する商業フロアとなるほか、地上2階から9階部分が銀行スペースとなり、2階に銀行窓口を設置。地下1階部分には博多駅地下街や開業予定の七隈線・博多駅ともつながる広場を整備することで、回遊性の向上にも寄与する。新本店ビルの竣工は25年2月ごろを目指している。
ボウリング場「博多スターレーン」(19年3月閉店)跡地では、NTT都市開発(株)と大成建設(株)の2社による「(仮称)博多駅東一丁目計画」が進められている。地上10階・塔屋1階、延床面積約2万9,300m2のオフィスビル(一部店舗)を建設する計画で、新ビルの竣工は22年6月を予定。
博多コネクティッドの対象ではないが、博多区新庁舎の整備事業も進んでいる。同事業は、老朽化が進み耐震性能が不足している旧庁舎を、建替えによって耐震性能を確保するとともに、現在は民間ビルに入居している博多区保健福祉センターと合築するかたちで新庁舎を整備するもの。隣接する藤田公園に建設した後、移転後に現庁舎の跡地を藤田公園として再整備する。工事は、大成建設(株)を代表企業とする、西日本技術開発(株)、(株)三和興業のグループによって進められており、博多区役所移転および新庁舎の開庁は、22年5月を予定。七隈線の延伸開業の暁には、櫛田神社前駅が最寄り駅となる。
博多コネクティッドのエリア内では、ほかにもいくつかの再開発事業が進行しているが、コロナ禍の影響もあって、天神ビッグバンほどは目立った動きがないのが現状だ。今後、七隈線の延伸開業によって博多駅がさらなる交通の結節点となれば、それを契機として博多コネクティッドによる再開発にも弾みがつくことが期待される。また、それとともに、博多駅を中心とした周辺エリアでのマンション開発も活性化しそうだ。
(つづく)
【坂田 憲治/立野 夏海】
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