【唐津街道中膝栗毛/前編】開発の波に呑まれ、往時の面影はわずか 唐津~博多の旧宿場町
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深江(糸島市)
時の流れが緩やかな、物静かな住宅街
深江宿は、一貴山川の河口付近、現在のJR筑肥線・筑前深江駅の北西、国道202号の西側にあったとされる宿場町である。ここも前出の浜崎宿と同じく、唐津藩領、幕府領、中津藩領と管轄が変わり、1717(享保2)年からは豊前中津から派遣された代官が駐在していたとされている。宿場は、深江神社の前の通りを中心にカギ型に曲がるかたちで形成されており、街道筋には人馬継所や制札、本陣が置かれ、大黒屋や緑屋などの多くの旅籠が軒を連ねていたとされている。
現在の深江宿一帯は、喧騒から離れた物静かな住宅街となっている。通りには古くからの米穀店や畳店、製材所などの店がところどころ立ち並ぶほか、白壁の通りや石灯籠などもあり、派手さや賑わいはそれほどないものの、往時の面影が感じられ、時の流れが緩やかになっているかのようだ。エリアの周辺は、筑前深江駅の東側エリアに糸島市役所二丈庁舎(旧・二丈町役場)などはあるが、駅前や国道202号沿いも含めて、それほど目立った開発の動きはない。
【坂田 憲治】
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