「考察」ポストコロナの商業デザイン~後編~
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アフターコロナの商業施設
建築物には、飲食店では水や電気、通信インフラを供給する使命がある。コロナ禍では、「集積→解体」を繰り返しながら、分散させることが求められる。“疎”は求心力がないので、断続的に“密”をつくるが長くは置かない。その後移動させることで、機能や集中を変化させるのだ。人気の店が集まれば一時的に人は増える。ある程度断続的に留めることで密を分散、移動させるということだ。
感染症対策としてのこれらの荒行は、今後50年以内に起こるであろうとされている大規模な気象災害の備え(ディザスター・レディ/disaster ready)にも対応する。有事の際の主要機能部を隔離し、別の場所で起動できることの必要性は、今後ますます高くなるだろう。コロナ禍をきっかけにした「パンデミック・レディ&ディザスター・レディへ」。広い意味での空間構成の再編成だ。
アフターコロナでは、この逆編した流れや一時的な疎開状態から、元に戻るかもしれない。「変革は夢物語だった」と、笑い話で終わるかもしれない。しかし、ウィズコロナである今だからこそ、次世代に向けた発信が芽吹き、伝播させていくことが可能だと考えている人は一定数いるはずだ。私もまた、未来都市の再構築を待望し、シュプレヒコールを上げていきたいと思っている共感者の1人であるから――。
(了)
<プロフィール>
松岡 秀樹(まつおか・ひでき)
インテリアデザイナー/ディレクター
1978年、山口県生まれ。大学の建築学科を卒業後、店舗設計・商品開発・ブランディングを通して商業デザインを学ぶ。大手内装設計施工会社で全国の商業施設の店舗デザインを手がけ、その後独立。現在は「教育」「デザイン」「ビジネス」をメインテーマに、福岡市で活動中。▼関連記事
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