「考察」ポストコロナの商業デザイン~後編~
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求められる新たなメカニズムデザイン
大都市の郊外に建設された、オフィスや商業施設など独立した都市機能を有する都市のことを「エッジシティ」と呼ぶ。公的な施策ではなく、民間の力で自然発生的にかたちづくられたドーナツ状の周辺都市だ。
昨今、テレワークやリモートワークといったニューノーマルの副産物が産み落とされたことで、次波的な生態系都市が派生してきている。通勤60分圏内のエリアを分散型業務遂行地「ニューエッジシティ」とし、競争のできる生産場所としての中核都市を配した。中心部は、文化・資本集積地として位置付ける。その間を物流・サービス業種がお金と物を滑らかにつなぎ、ニューエッジシティの外側が、緑豊かな郊外・住居エリアというわけだ。
現在、働く場所や住む場所が流動化してきていて、人が集まる場所の制度設計(メカニズムデザイン)が求められている。そこで、ウィズコロナにおける新たな店の選び方、また店の選ばれ方を少し考えてみたい。非接触や非対面が求められる現在の店舗業界のなかでは、店舗内に商材を展示する必要のある物販・体験型店舗と、商材を展示する必要のない飲食系店舗とにまず大きく二分される。
商材を展示する必要のある店舗例
アパレル、雑貨店など、工場で生産したものを店舗で売る「現場非生産店」や、文化施設や映画館、ゲームセンターなどの遊技場のような、そこで体験する必要のある「大空間利用店舗施設」など。商材や空間という在庫を抱えるビジネスモデル。
商材を展示しなくても運営できる店舗例
冷蔵庫に食材はもつものの、あくまで売り物という点でいえば厨房で調理をすることで商品を生み出す「現場生産店舗」。厨房という生産工場と客席という固定空間は切り離して考えることができる点でいえば、在庫を抱えないでよいビジネスモデルといえる(パン屋や総菜屋などの食物販はここでは例外とする)。
これら2種類の店舗を利用する我々ユーザーは今どのような心理状態なのか。思考状況のヒエラルキーを整理してみたい(飲食形態の場合)。①に近づくほどアフターコロナ状態、⑤に近づくほどウィズコロナ状態としてみると…。
<プロフィール>
松岡 秀樹(まつおか・ひでき)
インテリアデザイナー/ディレクター
1978年、山口県生まれ。大学の建築学科を卒業後、店舗設計・商品開発・ブランディングを通して商業デザインを学ぶ。大手内装設計施工会社で全国の商業施設の店舗デザインを手がけ、その後独立。現在は「教育」「デザイン」「ビジネス」をメインテーマに、福岡市で活動中。▼関連記事
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