2024年03月03日( 日 )

国交省が不動産IDルールの検討開始、22年度からの順次運用開始を目指す

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第2回 不動産IDルール検討会
第2回 不動産IDルール検討会

 国土交通省は、不動産関連情報の連携・蓄積・活用の促進に向けて、各不動産共通のコードである「不動産ID」のルール整備を検討するため、「不動産IDルール検討会」(以下、検討会)を9月から開催している。2022年3月までに不動産IDに係るルールを整備して、4月以降の順次運用開始を目標とする。

 これまで、すべての不動産に共通したIDがないことが、不動産関連情報の連携・蓄積・活用の課題となってきたという。「住所や地番、建物名で物件を特定する方法では、同じ物件でも表記の揺れによって、情報の名寄せなどを行おうとする際に手間や時間がかかっている。今後の不動産DXを協力に推進するための情報基盤の整備といった観点からも、物件を一意に特定できるコードが必要だ」(国交省不動産市場整備課)。

 検討会では、土地や建物の登記簿の不動産番号を不動産IDとして使用する方向で検討している。不動産番号は、すでに法務省において登記情報のシステムが存在するため、国として、新たに不動産IDを一元的に発番・管理するシステムの整備は行わず、各主体が不動産IDを一意に特定することができるような共通ルールを整備し、運用していくことを予定している。ただし、不動産IDの普及に向けて、不動産番号を簡易・低廉に確認できる手法が必要との意見が検討会で出ており、こうした点についても今後検討を進めることとしている。

 11月10日に開催された第2回検討会の「不動産IDのルール(案)」によると、土地や戸建の不動産IDは「不動産番号(13ケタ)+0000」、賃貸オフィスや商業施設などの商業用建物の不動産IDは、フロアごとに「不動産番号+階数(4ケタ)」を用いる。賃貸マンションの部屋ごとの不動産IDは「不動産番号+部屋番号(4ケタ)」、分譲マンションの建物全体の不動産IDは「建物が建つ土地の不動産番号(13ケタ)+建物を表す符号(4ケタ)」を付ける。

出典:「第2回-不動産IDルール整備検討会」の配布資料2
出典:「第2回-不動産IDルール整備検討会」の配布資料2

 不動産IDのメリットとして、物件を一意に特定しやすくなることで、物件情報の収集や名寄せが容易になることや、成約価格の推移の把握による価格査定の精度向上などが考えられる。将来的には、都市計画・ハザードマップ情報などとの連携により、重要事項説明書の作成負担の軽減などの業務効率化も期待されるほか、設計図や建物の性能、施工情報、修繕の履歴などの情報の連携・蓄積が促進されることも期待される。検討会では、「3D都市モデル・PLATEAU(プラトー)との連携も視野に入れるべき」「電気、ガス、水道などインフラ事業者同士で情報交換がしやすくなる」という声や、「行政情報にも紐づければ、行政保有情報の照会の容易化・効率化につながるのではないか」という意見も挙がっているようだ。

 不動産IDの付番により、各主体が保有する物件情報がすべて公開されるという性質のものではなく、物件情報を他業者や一般消費者に向けてどこまで公開するかは、これまでと同様に各主体の判断に委ねられている。IDと紐付いた情報の利用についても、過去の募集時の提示価格や管理費など変化が生じやすい情報は使用せず、変化しにくい情報に限定して使用するなど、各主体が情報を取捨選択して利用することが基本となる。

 「IDの利活用においては、現行の不動産取引実務を踏まえつつ、将来的な段階での利活用の在り方も見据えて、取り組みを進めていくことが必要だ」(不動産市場整備課)。

【石井 ゆかり】

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