福岡都心再生サミット 2021開催、市民がより幸福を感じるまちへ
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【基調講演&パネルディスカッション】ビヨンドコロナを見据えたまちづくり
九州大学教授・黒瀬武史氏は、人材を集めることに関して、福岡市には外国人の高度人材が少ない点を指摘した。コロナ禍で海外から人材を呼ぶためには、居住空間や文化を重視したまちづくりを行うことを提案する。また、都市は人が出会う場としての性格をより強めており、自動車の通行を制限して広場にしたパリの例、さらに20分生活圏を提供するメルボルンの例を紹介した。これら2都市は、道路などの公共空間に賑わいを取り戻し、歩いて暮らせるまちをつくるという点で共通する。
続くパネルディスカッション「ビヨンドコロナを見据えた福岡都心のアクション」において、博多地区の松下琢磨氏からは、博多駅通りを5車線から3車線に減らし歩道を拡幅したこと、今後、自転車通路の整備を予定していることが紹介された。天神地区の田川真司氏からは、フリンジパーキング(都心周辺部に駐車し、公共交通機関に乗り換える)を進め、天神地区を安全かつ快適に過ごせる空間にしようとしていることが紹介された。
現在重視しているものとして、田川氏はカーボンニュートラルやレジリエンシー(復元力)というトレンドを挙げる。前者については、今後のビル建替えにおいて、ビル単体ではなく、エリア全体で取り組むとともに、最新の技術を取り込んでいくこと。後者については、災害時に避難する箇所の設置および運営マニュアルを作成し、これらのトレンドを取り入れた要素を実装していくとした。
博多地区の松下氏は、選ばれるまちになるという視点を重視する。そのために、「住んでよし、働いてよし、訪れてよし」という多様性を重視し、多様な人が訪れ、出会うまちにしていきたいと述べる。また、コロナ過で自然や空気などの「リアル」なものの価値が見直されたと指摘し、リアルなものを感じられるまちづくりをしていくとした。
最後に、石丸修平FDC事務局長は、FDCとして各協議会を含め、産官学連携で引き続き課題解決と競争力向上のための協議を続けることが必要であり、俊敏に対応できる体制を整え、関係者との連携を深めていくとした。
【茅野 雅弘】
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