駅の東西で性格異なる「吉塚」というまち
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中心地へのアクセス良好
福岡の中心地となる博多駅から1駅。たった3分で到着できる吉塚のまちは、広い車幅の道路が複数本縦断し、博多駅と東区を直結させる駅前エリア、空港へと続く住宅街エリアと、区画ごとに異なる様相を見せている。
同エリア内には、吉塚本町および吉塚1~8丁目の合計で、1万2,032世帯・2万751人(2021年12月末時点)が居住。小学校区としては吉塚、東吉塚、馬出、千代地区が属する。これら4つの地区の15歳未満の割合は、福岡市全体と比べてそれぞれ2.0%、0.8%、7.8%、3.4%低いものの、15~64歳の人口はすべての地区で約6%多い。とくに25~39歳の働きざかりに人気のエリアであることがわかる。
福岡空港へは車で10分程度。電車の場合は博多駅でのJRから地下鉄への乗り換えが必要になるが、早ければ20分で到着できる。福岡の中心地のみならず、県外・国外へのアクセスも良いエリアだ。
標準地の1m2あたりの価格(令和3年度地価公示)は、吉塚2丁目で15万4,000円、吉塚6丁目で17万円、吉塚8丁目で11万4,000円。近隣エリアでは、(1)千代4丁目29番50号が44万6,000円、(2)千代4丁目331番が16万円、(3)堅粕4丁目391番1外が17万3,000円となっている。(1)は福岡県庁の目の前で、高価格が設定されているようだ。これらの地価は、前年に比べて6%程度上昇している。コロナ禍においても福岡市全体の地価は上昇しており、この傾向に準ずるものだと見られる。
筥崎宮に隣接、遺跡も多数
地名に「塚」が入っていることが示すように、このエリアには多くの遺跡が存在し、長年にわたって福岡市教育委員会によって調査が行われてきた。
吉塚2丁目周辺に「吉塚祝町遺跡」、吉塚3丁目~堅粕4丁目に「吉塚遺跡群」、JR吉塚駅の周囲に「吉塚本町遺跡群」と、遺跡が浅い谷を区切りにして独立して位置している。すべて弥生時代を中心とした集落遺跡で、当時使われた漁具や生産用具のほか、公的施設が存在した可能性を示唆する瓦や硯が出土。遺構や遺物が各地から豊富に発見されていることから、具体的な断定はいまだ難しいものの、博多や筥崎宮といった交易や祭事の中心地に隣接した、衛星都市的な地域だったのではないかという予測が立てられている。
一方、1900年ごろの古地図を見てみると、吉塚のまちは田畑にあふれており、未開発だったことがうかがえる。その後の1946年の地図では地域が区画分けされた様子がわかるのだが、博多エリアほど細かな碁盤目状ではなかった。
【杉町 彩紗】
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