関税法の規制緩和、日本のアート市場活性化へ
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関税法の規制緩和でギャラリー設置が容易に
2020年12月および21年2月の関税法基本通達改正を受けて、保税地域においてアートオークション、ギャラリー展示、アートフェアなどの実施が可能となった。
保税地域は、輸出入貨物を税関の監督下に置くことにより、秩序ある貿易を維持し、関税などの徴収確保のために置かれるもの。保税地域の種類などは、以下の通り。
これまで、美術商が海外所蔵の美術品を国内のアートコレクターに紹介や提案をする際には、関税等の税金負担を考慮する必要があった。美術品の展示・閲覧に特化した保税地域が整備されていなかったことから、保税制度の活用は限定的であり、日本のアート市場において海外所蔵作品の購入や、海外ギャラリーの進出は難航していた。
世界のアート市場は約20兆円。アジア最大の市場は香港で、その市場規模は約2兆円(日本は約2,000億円)だという。香港のアート市場が成長した要因の1つが、保税ルールの易しさだといわれている。
これまで日本では、世界から集められた美術品を購入する場合には消費税を支払い、海外に持ち出すときには消費税の還付を受ける手続きが必要だった。つまり、保税地域から一度、日本国内に輸入したかたちをとる必要があったのだ。今回の改正では、この手続きが緩和された。
【永上 隼人】
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