2024年05月07日( 火 )

電動キックボードmobby普及の可能性

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筆者の体験レビュー

mobby

 取材に際して、筆者が実際にmobbyを体験してきた。本体はしっかりしており、運転していて安心感があった。加速はハンドルをひねるのではなく、レバーを押し下げるタイプなので、誤操作はほぼないだろうと感じた。また、思ったよりも遠くまで行けた。筆者は10分程度試し乗りしていただけで、約1kmも移動していて驚いた。

 一方で、使いにくさも感じた。専用駐輪場にあるQRコードからLINEのお友達登録をするところから始まる登録作業が、かなり面倒だったのだ。初回のみとはいえ、この作業をしないと、専用駐輪場がどこにあるのか、どの専用駐輪場に何台のmobbyがあるのかすら、知ることはできない。

 初回の登録作業には5つのステップがあり、mobbyを見つけたからといって、気軽に乗り出すことはできないのだ。まずは、運転免許証の番号が必要になり、入力するとその次に免許証の表裏の画像が必要になる。筆者の手元の環境では、事前に免許証を撮影していないと、登録作業中に撮影しようとしたら、すべての入力が最初からに戻ってしまった。次にルール説明で8項目を見て、その後13問のテストを受ける。イメージ的には自動車教習所の原付の筆記テストだ。テスト合格後に、料金の説明や乗り方の説明があり、やっと登録が完了する。作業時間は約10分。たまたま見つけたから使ってみたいと思っても、この登録作業の途中であきらめてしまう人も少なくないだろう。

 mobbyの最高時速は15kmで、実際に乗ってみるとすごく遅い。筆者が普段乗っているクロスバイク(スポーツタイプの自転車)よりもかなり遅く感じる。道路の段差も敵だ。mobbyはタイヤ幅が広いのでアスファルトのヒビなどには強い。しかし、段差や荒れたアスファルトなど、道路状況が悪いときはあまり乗り心地が良くない。

 ナビが使えないのもデメリットだ。スマホホルダーがないので地図アプリが使えない。目的地を確認するたびにいったん停車して歩道でスマホを見て、また車道を走る。これはやってみるとかなり面倒な作業だった。

 mobby普及には、道交法の周知はもちろん、走行速度アップが必要なのではないかと感じた。すでに述べた通り、遅すぎると感じるからだ。時速15kmは車道を走ると、横を自動車やバイク、自転車にも次々と追い抜かれ、運転していてとても怖い思いをした。乗り物としては面白く、移動手段の新しい選択肢として歓迎したい。mobbyはまだこれからの新しい乗り物だ。

【外部ライター・奥野 晃市】

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