2024年04月24日( 水 )

福岡周縁部のマンション開発状況(6)

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 福岡市の中心部では、市が主導する再開発プロジェクト「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」が進んでいる。これら2つの再開発プロジェクトを契機として、天神・博多をはじめとした中央区と博多区の両エリアでは、規模の大小を問わず多様な開発計画が進行。官製需要が民間投資を誘発することで、バブルに近い開発熱が生まれている。

 その一方で、そうした中心部では開発用地の争奪戦も過熱。地場だけでなく、中央大手のデベロッパーも続々と参戦し、マンションデベロッパー各社にとっては、新たなマンション開発用地の獲得に四苦八苦する状況が続いている。そのため、土地争奪戦の舞台は次第に市の中心部から市の郊外部、さらには近隣の自治体へとシフト。いわゆる“周縁部エリア”でのマンション開発が以前にも増して盛んになってきている。

 今回、福岡都市圏の周縁部を東・南・西の3つのエリアに分けたうえで、各区・自治体ごとに開発状況を見ていこう。

太宰府市
都府楼前駅周辺で2つの開発

サンリヤン都府楼前/アーバンパレス都府楼前駅

 太宰府天満宮や多くの特別史跡・史跡を擁し、毎年多くの観光客が訪れる観光都市である太宰府市だが、市内には西鉄天神大牟田線および西鉄太宰府線のほか、JR鹿児島本線も通るなど交通利便性にも優れ、主に市の西部・南部では福岡都市圏のベッドタウンとしての住宅開発も進んできた。市内では現在、とくに西鉄都府楼前駅の周辺で開発が活況を呈している。

 西鉄都府楼前駅から徒歩3分にある通古賀1丁目の福岡日田線(県道112号)および御笠川沿いの場所では、西日本鉄道による「サンリヤン都府楼前」の販売が進んでいる。RC造・地上6階建、全65戸で、設計・監理は(株)明水設計、施工は若築建設(株)が担当。22年10月下旬に竣工済み。

 また、西鉄都府楼前駅から徒歩3分の距離にあり、福岡日田線と朱雀大通り(県道505号)が交差する通古賀交差点近くの通古賀3丁目では、第一交通産業(株)による「アーバンパレス都府楼前駅」の開発が進んでいる。RC造・地上14階建、延床面積9,744.63m2の全103戸。設計・監理はサニム建築事務所、施工は(株)福田組が担当し、23年2月末の竣工予定となっている。

 いずれの物件も駅至近で商業施設や教育施設などが充実しているほか、「令和」ゆかりの地である坂本八幡宮や大宰府政庁跡などにも近く、古都の風情・歴史と現代とが融合した優れた住環境を享受することが可能となっている。

筑紫野市
各駅周辺で開発進む

アルバガーデン朝倉街道/アルバガーデン筑紫駅前Ⅵ

 「博多の奥座敷」と称される二日市温泉を擁し、福岡と久留米の両都市圏のベッドタウンとしての発展を遂げてきた筑紫野市。市内にはJR鹿児島本線と西鉄天神大牟田線がほぼ並行して市中央部を南北に貫いて交通利便性が高いほか、イオンモール筑紫野やゆめタウン筑紫野、シュロアモール筑紫野、筑紫野ベレッサなどの大型商業施設も充実。また、九州道・筑紫野ICの周辺では物流拠点としての開発も進むなど、高いポテンシャルを秘めている。

 その筑紫野市内では現在、アルバクリエイト(株)が2つのマンション開発を進めている。1つ目の「アルバガーデン朝倉街道」は、西鉄朝倉街道駅から徒歩8分、JR天拝山駅から徒歩13分の針摺中央1丁目で開発が進められているもの。RC造・地上14階建、全69戸で、設計・監理は(株)work3、施工は出島ベース企画(株)が担当。23年5月の竣工を予定している。

 もう1つの「アルバガーデン筑紫駅前Ⅵ」は、西鉄筑紫駅から徒歩7分の距離にある筑紫で開発が進められており、RC造・地上13階建、全48戸。設計・監理はwork3が担当し、施工は未定で、24年9月の竣工を予定している。

 ほかにJR二日市駅から徒歩4分、西鉄紫駅から徒歩10分の二日市西2丁目では、(株)エス トラストによる「オーヴィジョン二日市駅」の開発が進んでいる。RC造・地上14階建、延床面積3,176.75m2の全39戸。施工は大和建設(株)が担当し、23年9月下旬の竣工予定となっている。マックスバリュエクスプレス二日市店やドラッグストアモリ二日市南店が近接するほか、筑紫野市民図書館や筑紫野市生涯学習センターを擁する「パープルプラザ」も徒歩圏内にあり、暮らしに必須の利便施設が徒歩圏内にある快適で暮らしやすい生活環境が特徴となっている。

オーヴィジョン二日市駅/エイリックスタイル那珂川

那珂川市
全国で最も新しい「市」

 人口5万人の要件を満たした旧那珂川町が、18年10月に単独市制を施行したことで誕生した那珂川市。福岡県下のみならず、全国で最も新しい「市」だ。同市は福岡市南区や春日市に隣接しており、市北部の平地部ではベッドタウンとしての発展を遂げてきた。とくに、新幹線の回送線を旅客線化したJR西日本・博多南線の博多南駅が市の玄関口にあたり、駅西口を中心として市街地を形成。その一方で、市南部には農地や山地が広がり、都市部と自然とが非常に近い距離間にあることが特徴の1つ。市内では戸建住宅が多い傾向にあるものの、博多南駅の西口周辺ではマンションなども多く立地している。

 その博多南駅から徒歩18分、西鉄バス・五郎丸天神から徒歩2分の五郎丸2丁目では、アライアンスが「エイリックスタイル那珂川」を計画している。設計・監理を(株)アーキスタイル、施工を九州総合建設(株)がそれぞれ担当し、RC造・地上13階建、延床面積3,176.71m2の全36戸。24年7月上旬の竣工を予定している。

南エリア MAP

(つづく)

【坂田 憲治/代 源太朗】

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