25年地価公示 薬院・平尾はマンション用地需要で上昇

薬院2-13-13
薬院2-13-13

    西鉄沿線でも上昇傾向が目立つ。西鉄・福岡(天神)駅の隣である薬院駅に近い「薬院3-3-8」(11.0%)は8年連続で2ケタ増。地下鉄七隈線・渡辺通駅にも近いことから、賃貸マンション用地として需要が高いほか、周辺では店舗の出店も目立つ。地下鉄・薬院大通駅の北側の「薬院2-13-13」(10.7%)は中心部近接の住居ニーズが高いエリアで、3年連続で2ケタ増となった。

 薬院2丁目では、分譲マンション用地や賃貸マンション用地としての売買も活発に行われているほか、賃貸マンションやホテル、オフィスなど収益物件の売買事例も数多く確認された。昨年注目されたマンション用地の売買は、西日本鉄道(株)(東証プライム)らが入札により取得したクリニック跡で、今後は高価格帯の分譲マンション開発が進められていくと見られる。

 福岡屈指の高級住宅地・浄水エリアの「薬院4-17-20」(12.0%)も、3年連続2ケタ増。分譲マンション用地として需要が高いエリアで、将来の開発用地として賃貸マンションなど既存の収益物件の売買事例は散見されるものの、更地としての売買は少ない。

平尾2-19-22
平尾2-19-22
平尾3-6-8
平尾3-6-8

    西鉄・平尾駅の周辺からは、5つの標準地が選定されており、いずれも高い上昇率を継続している。平尾駅から最も近い「平尾2-19-22」(11.3%)は7年連続での2ケタ増となっており、商業繁華性と生活利便性が整っていることから、マンション用地としての需要が高いと評価された。そこから北に300mほどの「平尾3-6-8」(11.7%)も7年連続の2ケタ増。駅からはわずかに離れるものの、高宮通り沿いという立地もあって平米単価はほぼ同額と評価された。

市崎1-8-20
市崎1-8-20

    平尾駅の西側で低層住宅が建ち並ぶ「大宮2-4-31」(15.1%)は、4年連続で2ケタ増。売買事例は多くは確認できていないものの、分譲マンション用地としても需要が高い。「平尾3-26-4」(10.3%)は3年連続で2ケタ増、平尾駅から徒歩14分という立地ながら、浄水エリアにも近く、住宅地として人気が高いエリア。平尾駅から徒歩10分の「市崎1-8-20」(12.7%)は、2年連続で2ケタ増となった。閑静な高級住宅地として知られる市崎は、面積が狭いこともあり売買事例は数少ないものの、交通利便性も高く地価は高騰している。

【永上隼人】

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