2024年03月19日( 火 )

『脊振の自然に魅せられて』第14回脊振クリーンアップ登山を開催して

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ゴミ袋を手にして目的地へと向かう参加者たち
ゴミ袋を手にして目的地へと向かう参加者たち

 2009年から開催してきた「脊振クリーンアップ登山」も今年で14回目となる。脊振山系の道標設置完了後、その活動を継承し、毎年開催している。福岡市早良区役所が西南学院大学ワンダーフォーゲル部を支援し、主催は西南学院大学ワンダーフォーゲル部(ワンゲル)、後援が福岡市早良区役所。

 初回の2009年から2012年までクリーンアップ登山は春、秋の年2回開催してきたが、ほぼ定着したので、春の開催を山開きへと切り替え、クリーアップ登山は年1回、秋の開催にした。

 ワンゲルは昨年から部員の減少があったため、今回は「脊振の自然を愛する会」が主催を引き受けた。

 昨年の第13回は9月30日(日)開催が、台風の接近により中止。今年の第14回は10月6日(土)。

登山コースは比較的歩きやすい椎原バス停-鬼が鼻岩にした。所用時間は休憩を含め往復5時間。

事前準備

 ●開催1週間前の9月29日(日)にワンゲルの学生2人、区役所職員1人、「脊振の自然を愛する会」のTさんと私を含めた5人で下見を兼ねて登山道整備に行った。Tが草刈機と倒木処理のチェーンソーを持参、倒木処理と登山口の草刈りをしてくれた。

 ●トイレ事情が悪いので、地元の会員Nにバス停近くの公民館のトイレ利用をお願いする(毎回利用)。

 ●参加申し込み、名簿、名札、トランシーバー等の準備は早良区役所が担当。

開催当日

 日曜日はバスの本数が少なく、集合時間に間に合うバスは博多駅発午前6時35分しかない。このバスに乗り午前8時4分に椎原バス停に到着。バスの到着時間に合わせ、現地の集合時間は午前8時10分とした。

 現地は駐車スペースが狭いので、自家用車を利用する参加者のことを考慮し、スタッフは脇山の農産物販売所「ワッキー」の駐車場に集合。乗り合いで椎原バス停へと向った。

 バスは、ほぼ満員で到着。スケジュール通り受付、ゴミ袋の配布、グループ分け、朝礼、スタッフの紹介準備体操後、目的地の鬼が鼻岩へ向う。

 当日の天気予報は晴れ、しかし山は厚い雲に覆われていた。班はA、B、Cの3グループに分けた。参加者たちは林道脇の空き缶などを拾いながら楽しそうに目的地へと向かう。

落伍者

 出発から1時間30分ほどで福岡県と佐賀県の県境の椎原峠に着いた。するとCグループの高齢男性が「ここから下山する」と言い出した。この峠から目的地までは20分の距離である。どうやら疲れてきたらく「ここには何度もきているので熟知している、1人で下山する」と言い張る。

 リーダーの私は「団体行動だから単独行動はダメです。区役所職員を付けるので一緒に下山してください」と譲らなかった。リーダーは時として頑固でなければならないと思っている。

 グループから離れ、単独下山をすると滑落事故や道に迷う危険性がある。そうした事例は何度も新聞記事で目にしている。区役所の職員2人のうち同行が1人、現地対応1人である。同行する若い職員は山に不慣れだが、1週間前に下見にきている。携帯電話で状況を連絡するように頼んだ。

 20分ほど経って、「いま途中の林道まで降りてきたと」ドコモの「ガラケー携帯電話」に連絡が入る。山間部では携帯電話がつながりにくい所もある。余談だが、山間部ではドコモが一番つながりやすい。

 ガス(霧)のなか、縦走路を歩き終え、やっと目的地の鬼が鼻岩に届く。先行した A、Bグループはすでに昼食中だった。晴れていれば博多湾が一望できる場所なのだが、ガスのため何も見えない。少し残念だった。

 その後、グループごとに記念写真を撮り、ゆっくり下山開始。下りの登山道は濡れていて滑りやすい、防寒と安全対策のために手袋をつけてくださいと指示を出した。

トラブル

 下山の中間地点の林道でA、B班が休憩していた。やっと全員が合流した。空を見上げると厚い雲が消え、明るくなっていた。

 「紐がありませんか」とワンゲルの後輩にいわれる。「どうしたの」と尋ねると参加者の若い女性のスニーカーの底が剥がれ、草履のようになっていた。ザックを探ってみるとピンクのマスキングテープが出てきた。マスキングテープを巻きつけて両足のスニーカーを補強、仲間が結束バンドを持参していたので、それでさらに補強する。

 ゴミは行きは空き缶類が土嚢袋に1袋、帰りは小さなゴミが少し集まっていた。ゴミの集積場所の登山口で区役所の職員が車で待機し回収。ゴミも随分少なくなった。

 予定より早く、午後2時過ぎに無事バス停に到着。アンケート記入をお願いし、すべてが終了した。終礼では参加のお礼と、毎年開催の山開きの参加をお願いした。

 スニーカーが破損し、ピンクのテープを巻きつけた女性に声をかけると「バスに乗って帰るだけですから」と気丈な返事があった。

 トラブルもあった今回だが、怪我人もなく、ホッと一息。

 応援してくれた「脊振の自然を愛する会」と「ワンゲルOB」の皆さま、ありがとうございます。

 ワンゲルの新入部員は今回が2度目の山歩きだった。頑張れよ 後輩!

集合写真
集合写真

2019年10月10日
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行

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