九州各県で大型開発進む、建設業界が直面する人手不足の現状
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TSMC新工場など、進む半導体工場建設
天神ビッグバンや博多コネクティッドなど福岡市中心部の大型再開発が目立つが、九州各県でも熊本のTSMC新工場建設、宮崎の国体関連工事、長崎の新長崎駅ビル開発など、複数の大型開発が進められている。
とくに注目されているのが、TSMC新工場建設だろう。2021年11月、世界的な半導体メーカー・台湾積体電路製造(TSMC)がソニーグループと共同で、熊本県菊陽町に半導体工場を建設することを発表したことは記憶に新しい。半導体の安定調達のために政府が働きかけて日本初進出となったが、同社の海外進出は米国、中国に続き3カ国目となる。初期投資額は約8,000億円で、県内に進出する企業の投資額では過去最大級。TSMCが合弁会社を設立し、大口取引先であるソニーグループも570億円出資する。新規雇用は約1,500人を見込んでおり、22年の着工および24年末までの操業開始を計画している。
また、京セラも約110億円を投資して、国分工場(鹿児島県)に第7-1工場と第7-2工場を新設することを発表した。半導体の需要が急速に高まっていることを受けたもので、2工場の増設で約35名の雇用を見込む。第7-1工場は22年10月から、第7-2工場は23年10月から順次生産開始を予定している。
そのほかの主な開発計画としては、宮崎県の陸上競技場建設がある。27年開催の国民スポーツ大会に向けたもので、施工は清水建設・都北産業・下森建装JVが手がける。工事の落札額は71億7,000万円(税別)。工期は24年12月23日までとなっている。
長崎県では、今秋開業の九州新幹線一部開業を見据え、JR長崎駅を中心に開発が進められている。新長崎駅ビルは長崎の新たなランドマークとして、商業、ホテル、オフィス、駐車場などによる複合施設となる。21年12月に着工し、23年秋に全面開業予定。施工は大林組・九鉄工業JVが手がける。
大分県では、別府温泉杉乃井ホテル大規模リニューアルプロジェクトが進行中。プロジェクトでは、25年の全面工事完了を目指し、本新館を含む2棟の新築と、既存のHana館の建替えなどを行う計画で、総投資額は約400億円を見込む。21年7月開業した客室新館に続き、本新棟は22年12月末に竣工予定だ。
【内山 義之】
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