2024年04月26日( 金 )

どこまで値を戻す「九州地銀の株価」

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 2月26日、十八銀行は、ふくおかフィナンシャルグループ(以下FG)と経営統合すると発表。九州の金融機関に大きな衝撃が走った。それは株価に大きく表れている。下表(1)を見て頂きたい。
この経営統合の発表を受けて、十八銀行の株価は大幅に上昇したものの、ふくおかFGの株価は下落している。投資家はこの経営統合にまちまちの反応を示している。ウインウインではなく、裏返せば、「十八銀行の先行き不安が解消された」との受け取り方をしたようだ。

この表から見えるもの

 十八銀行の15/3月末の株価(終値)は365円だった。経営統合を発表した26日の株価は、255円(前日比+25円)と大幅に上昇。一方、経営統合する側のふくおかFGは、前日▲7円と下げている。2018年4月を目処に十八銀行と親和銀行が合併する予定になっており、重複する50 店舗の閉鎖などコスト負担の増大を懸念した反応のようだ。

 この経営統合によって、西日本シティ銀行が劣勢に立たされるとの見方から、26日の株価は▲4円、月明けの3月1日の株価は200円台を割り込み199円となっており、大きな影響を受けているのが読み取れる。

 同様に九州FGの26日の株価は652円(前日比▲14円)と大幅に下落。3月1日にはさらに下落して631円。十八銀行と福岡銀行、さらに傘下の熊本銀行とが連携し、熊本県へ攻勢をかけるのでは、との見方が広がったことが、大きく値を下げた要因のようだ。

 大分銀行の26日の株価も344円(前日比▲11円)と大幅に下落したものの、3月1日には値を戻し、350円(2/26比+6円)となっている。今後他のグループとの経営統合を期待した催促のように見える。以下、宮崎銀行、佐賀銀行、筑邦銀行にも、その期待感を伺わせるように、3月1日の株価はそれぞれ+2~0で推移している。

 今月末、銀行は1年間の成績を問われる本決算を迎える。下表(2)から分かるように15/12月末の日経平均株価(終値)は1万9,033円71銭(前期比▲173円28銭)となり、15/3月末の1万9,206円99銭に近づいていたが、今年に入り株価は一転して急落。15/2月末も1万6,026円76銭(前期比▲3,180円23銭)と大幅な下げが続いている。

 いよいよ3月も残り1カ月を切った。日経平均株価の下落よりも、さらに大きく値を下げている九州地銀の株価。期末日の3月31日(木)にどんな価格で着地するのだろうか。

【北山 譲】

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