2024年04月27日( 土 )

建設業界の好景気が他業種に波及しない訳は?~世代交替が理由

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 建設業の経営者と議論をした。「どうして建設業界は潤っているのに他業種へ波及しないのだろうか?昔なら少なくとも経済成長率で2%分は貢献していた。貢献していないのなら、人手不足を逆手にとって暴利をむさぼっているというキャンペーンを始めなければなるまい」と問い詰めた。

 経営者の回答は次の通りである。

 (1)「確かに儲かっています。6年近く好景気です。人出不足が幸いして単価も上がりました。しかし、その前の20年間はデフレによる単価の値下げで赤字を余儀なくされ、同業者の多くが消えていったのです。弊社も累積赤字を積み上げました。明日潰れるかも、という覚悟をしたこともあります。倒産の危機に直面したという経験から、いまでも支出に対して慎重な姿勢を取らざるを得ないのです」

 (2)「2点目に下請さんたちの世代交替が挙げられます。この5年間、単価が上がり、皆さん儲かっているのは事実です。ところが若い社長たちは馬鹿な遊びをしません。中洲に繰り出すことも稀です。無駄遣いをしませんね」と語る。 

 建設業界が他業種に好景気をおよぼすという神話は崩れてしまったのだ。

関連キーワード

関連記事