2024年04月27日( 土 )

年末年始注目のスポーツイベント(3)―第98回全国高等学校サッカー選手権大会―

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 今年も残すところ、あとわずか。年末年始の慌しいこの時期に、スポーツ界では「チャンピオンシップ大会」が繰り広げられる。そのなかでも、とくに注目されるスポーツイベントについて紹介していく。今回は、「第98回全国高等学校サッカー選手権大会」。

 同大会は、全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会、高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグと並ぶ、国内の高校サッカーの3大大会の1つである。

各都道府県代表の48校(東京都より2校出場)が、12月30日の開幕から2020年1月13日の決勝までの間、高校サッカーのチャンピオンを目指し、熱い戦いを繰り広げる。会場は、東京・埼玉・神奈川・千葉の各会場で、準決勝および決勝は埼玉スタジアム2020で行われる。

 同大会は、日本フットボール優勝大会として1918年(大正7年)1月に1回目が開催された。1〜7回目までは兵庫県の御影師範学校が7連覇するなど、戦前は師範学校が優勝もしくは優秀な戦績をおさめていた。

 これについてサッカーの専門家らは、「旧師範学校については、当時小学校を卒業後、高等小学校2年を経て、5年制の師範学校に進む。よって卒業時は19歳となる。一方、旧制中学校は小学校卒業後、5年間行くため卒業時17歳。つまり最上級生のとき師範学校が2歳上となりハンデがあった。さらに当時の師範学校のほとんどが全寮制で、チームワークが抜群だったとされる。つまり、メンバー全員が毎日揃ってトレーニングを行えたので、常に高いチーム力を保持できた」という分析をしている。

 年齢や体力面においてハンデがあったため、当時物議を醸していたようだ。

 天皇杯を例にとってみるとわかるように、サッカーは大学生がJリーグに勝利する、高校生がJリーグに善戦するなど、予想外の結果・内容になることが多々ある。つまりサッカーには番狂わせが多いという競技特性がある。高校サッカーも同様で、優勝候補に挙げられた高校が初戦で姿を消すなどの番狂わせが毎回のように起こる。高校ラグビー同様(参考記事:年末年始注目のスポーツイベント(2)―全国高等学校ラグビーフットボール大会―)、下馬評などまったくアテにならないのである。

 今大会の福岡県代表は筑陽学園高で、11年ぶり3回目の出場となる。初出場の72回大会では、決勝まで進んだ実績をもっている(筑陽学園0-6国見高の結果で準優勝)。

 福岡県予選では、八女高4-1、飯塚高1-0、九州国際大附属高1-0(延長)、そして決勝は福岡県予選6連覇「絶対王者」の東福岡高に1-0で勝利した。

 「ディフェンスが筑陽の課題だったが、県予選では、その課題を克服していた。とくに1対1の局面で相手選手のパフォーマンスを確実に仕留めていたことが、勝利の大きな要因である」(福岡県内のサッカー関係者)と堅守を貫いたことが一番の要因だとされている。

 同校の初戦は12月31日、愛知県の愛工大名電高。創部51年目の初出場校である。愛工大名電高は、「全員がハードワークする、ハイプレスのディフェンスでボールを奪取して速攻を仕掛けるスタイルのサッカー。初出場といえども侮れない」(前出関係者)とされる。

 筑陽学園は、初戦から激戦が予想されるが、それでも、王者東福岡を倒しての選手権出場だ。初出場時と同様に決勝進出、そして全国制覇を目指し、1戦必勝の覚悟で挑む。

【河原 清明】

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