2024年04月27日( 土 )

河井買収事件原資提供安倍自民党に捜査のメス

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「金権腐敗のオンパレード」と安倍政権を厳しく批判した6月18日付の記事を紹介する。


 かつて金権腐敗政治という言葉が使われた。その時代から半世紀近くが経過しているが実態は何も変わらない。金権腐敗が政治のあらゆる場面に蔓延しているとしか言いようがない。

 2019年7月の参院選で、広島の地元議員らに計約2,570万円を配って買収したとして、東京地検特捜部は6月18日、前法相の河井克行容疑者と妻で参院議員の案里容疑者を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕した。現職国会議員夫妻の逮捕は初めて。

 東京地検特捜部は同日、東京都内にある両容疑者の議員会館事務所などを家宅捜索した。河井克行前法相の逮捕容疑は2019年3~8月にかけて、票の取りまとめなどを依頼する報酬として地元議員ら94人に計約2,570万円を提供した疑い。河井案里議員の容疑は、このうち計170万円分の提供について河井克行前法相と共謀したというもの。

 参院選に際して、河井夫妻が代表を務める広島県下の支部には、自民党本部から1億5,000万円が振り込まれた。広島県で同時に出馬していた現職議員に対して支払われていたのは、その10分の1の1,500万円。買収に用いられた資金の出処は自民党本部と見られる。

 自民党本部がこの買収事件に深く関わっていると考えられる。検察は当然のことながら、自民党本部に対する家宅捜索を行う必要がある。河井案里氏を強引に擁立したのは自民党本部。首相官邸のごり押しだった。

 広島選挙区の定員は2。野党陣営が有力候補を擁立し、トップ当選をはたした。自民党が2人を擁立すれば当選者は1人しか出ない。

 岸田派の5選のベテラン議員で元国家公安委員長・溝手顕正氏が現職議員で存在した。ところが、溝手氏に対して個人的な恨みを持つ者がいた。

 2007年夏の参院選で安倍自民党が惨敗した際、防災相であった溝手顕正議員が安倍首相を名指しして「もう過去の人」と批判した。このことを根にもった安倍首相が溝手議員の落選を目論んだと見られている。

 2019年の参院選で安倍首相は安倍事務所のスタッフ数人を広島に常駐させるほど力を入れた。自民党本部から流れた1億5,000万円の流れについて、安倍事務所が関わっている疑いももたれている。

 選挙に際して買収資金が日常茶飯事のように配られる。このような政治の現実に対して何の疑問ももたれない「金権腐敗体質」が安倍政治に蔓延している。

 巨大補正予算が利権の巣窟にされている実態が明らかにされつつあるが・・・。大資本が自民党や首相に政治献金を行い、巨大な利権予算の配分を受ける。政治が金権腐敗ビジネスになり果てている。

※続きは6月18日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「安倍自公金権腐敗政治に終止符打つ」で。


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