2024年04月27日( 土 )

工作活動失敗連合神津氏は辞任すべき

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を紹介する。今回は、「工作活動に失敗しつつある日本労働組合総連合会会長の神津里季生氏は退き、連合を解体すべきだ」と訴えた9月4日付の記事を紹介する。


利権の維持にかける自公の執念はすさまじい。
2009年に自公は政権を失った。
2009年に樹立された鳩山内閣は日本政治の根幹を変えようとした内閣だった。
それゆえに、既得権勢力の総攻撃を受けた。

日本政治の何を変えようとしたのか。
米国が支配する日本
大資本が支配する日本
官僚が支配する日本
この構造を変えようとした。

2010年夏の参院選で小沢-鳩山ラインの民主党が勝利を重ねて衆参ねじれを解消していれば、日本政治の根幹の変革が実現したと思われる。
ところが、鳩山内閣はこの参院選直前に民主党内部の造反活動によって破壊された。
既得権勢力とつながる勢力が民主党内に潜んでおり、この「隠れ自公勢力」が鳩山内閣を内部から破壊した。

日本の既得権勢力は鳩山内閣樹立の牽引者であった鳩山由紀夫氏と小沢一郎氏に対する卑劣で不正な人物破壊工作を展開した。
鳩山内閣は8カ月で破壊され、既得権勢力の傀儡政権が樹立された。
菅直人内閣と野田佳彦内閣は辺野古米軍基地建設を推進し、消費税増税の大方
針を定めた。
企業団体献金全面禁止の公約も闇に葬った。

鳩山内閣に対する負のイメージが植え付けられたが実態は違う。
鳩山内閣こそ、日本政治の基本構造を刷新しようとした真の意味の改革政権だった。
日本の既得権勢力は二度とこの過ちを繰り返してはならないと誓った。

米国による日本支配
大資本による日本支配
官僚による日本支配
こそ、戦後日本政治の根幹を為すものである。

本当の革新政権が樹立されれば、この基本構造が破壊される。
この恐怖を、日本の既得権勢力が身をもって体感したのが鳩山内閣の樹立だった。

彼らにとって正真正銘の「悪夢」だった。
2010年7月参院選で菅直人氏は消費税率10%を掲げて自爆した。
民主党が直ちに党首を菅直人氏から小沢一郎氏に交代させていれば巻き返しは十分可能だった。
これを阻止するために卑劣で不正な人物破壊工作が展開された。
菅直人内閣は野田佳彦内閣に引き継がれ、民主党は自ら政治刷新の道を破壊した。

そして、2012年12月の自爆解散によって大政を安倍自民党に奉還したのである。

既得権勢力が支配する日本政治の構造を永遠に維持するには、日本の二大勢力体制を自公と第二自公の二大勢力体制にすることがもっとも有効だ。
政権交代が生じても政治の基本構造は変わらない。
米国の共和・民主二大政党体制がこれだ。

そこで、野党勢力を「半自公」の体制でまとめることが追求されてきた。
この工作活動の中核を担っているのが「連合」である。
「連合」は「(労働組合」と「御用組合」の連合であり、現状で主導権を握っているのは「御用組合」である。

「希望の党」の試みも、今回の「合流新党」の試みも、「半自公」の野党勢力を構築し、日本の二大勢力体制を自公と第二自公の体制に移行させることを目的とするもの。
ところが、ボタンの掛け違いで、思わぬ着地点に移行しつつある。
「合流新党」が「第二自公」ではなく「革新政党」の基本方針を定める可能性が浮上してきたのだ。

「立憲主義の深化」と「原発ゼロ」が綱領に明記され、憲法破壊と原発推進を後押しする「御用組合」が合流新党に加わらないというアクシデントが発生した。
玉木雄一郎氏が新党への参加を拒絶し、電力や電機の御用(労働組合)が合流新党を支援しない方針を示すに至った。

「瓢箪から駒」が生じることになった。
御用組合連合は慌てふためいている。

連合が「(労働組合)」と「御用組合」に分離・分割され、野党の核が「第二自公」ではなく「革新政党」になってしまう可能性が浮上している。
経緯はともかく、結果としては望ましい方向に事態が進展している。
このボタンの掛け違いを「奇貨」として、日本政治刷新のための「政策連合」を構築することが最重要の課題になる。

電力、電機、自動車などの産別労働組合は「御用組合連合」の中核を担う「御用組合」である。
この「エセ労働組合」が労働組合全体を支配する背後にはCIAが存在する。
そもそも、これらの労働組合は、CIAが米国による日本支配を維持するために、人為的に創作したものである。

具体的には1960年にCIAが主導して創設した民主社会党の支持母体として創設した米国傀儡の(労働組合)なのだ。
これらのグループは「同盟」に所属した。
その後、本来の(労働組合)を軸とする「総評」とCIAが実質的に創設した「同盟」などが合体して「連合」が組織されたが、結局、「連合」の主導権を旧「同盟」系(労働組合)が握ってしまった。

CIAの目的は米国による日本政治支配の構造を維持すること。
そのために「御用組合連合」を最大活用している。
自公に投票する国民は国民全体の25%しかいない。
自民党単独では17%しかいない。
自民党単独では政権を樹立することさえ不可能なのだ。
そこで、CIAは自民党と公明党を結合させた。
自公を合わせれば25%の得票を見込める。

選挙の投票率を5割まで引き下げることができれば、25%の得票で政権を獲得することが可能になる。
これを盤石にするには、もう一工夫いる。
それは、反対勢力を分断すること。
反対勢力を2つに割る。

これに成功すれば25%の得票力のある自公がやすやすと政権を獲得できる。
実際にこれが実行されてきた。
反対勢力を分断するための方策が
「共産党とは共闘しない勢力」をつくること。

反対勢力が

「共産党と共闘する勢力」

「共産党とは共闘しない勢力」
に割れれば、自公の勝利は確実になる。

さらに一歩進めて、自公に対峙する勢力を自公と類似した勢力にしてしまえば永遠の安泰を確保できる。
自公と第二自公の二大勢力体制の構築こそ、彼らの究極の目標だ。
立憲・国民合流新党はこれが目的だった。

ところが、ボタンの掛け違いで、思わぬ誤算が生じている。
「隠れ自公」勢力が除外されて、「革新政党」としての新党が創設される可能性が高まっているのだ。
憲法破壊を許さない
原発ゼロ
を明記する中核野党が誕生することは、既得権勢力が絶対に回避したい図式なのだ。

その状況が生まれつつある。
さらに、新党は消費税増税の誤りを認めて、消費税減税・消費税廃止に踏み込む構えを示している。
この中核野党が共産党、社民党、れいわ新選組と強固な共闘体制を構築することは、日本の既得権勢力にとって悪夢の再来になる。

最近登場回数が増えている女性の自公御用政治ジャーナリストが、玉木氏主導の合流新党創設に熱烈な応援メッセージを送り、玉木氏が離脱した合流新党を懸命に非難していることが興味深い。
特定の役割を担うことで政治ジャーナリストとしての活動の場を確保できる。
自己の利益追求の個人行動を利用して工作活動を展開するのはCIAの典型的パターンだ。

いずれにせよ、「御用組合」と「御用組合」お抱え「隠れ自公議員」が離脱して合流新党が創設されることは誠に喜ばしいことだ。
この機会に「連合」を正式に「御用組合連合」と「(労働組合)連合」に分離・分割すべきだ。
工作活動に失敗しつつある連合の神津里季生氏は安倍首相とともに退き、連合を解体し、工作活動に終止符を打つべきだ。


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植草一秀の『知られざる真実』

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