伝達&コスト管理ツールとして期待、CMから見たBIMの有用性
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(一社)日本コンストラクション・マネジメント協会
九州支部BIMとの高い親和性
「CM(コンストラクション・マネジメント)の観点から見ても、BIMというソリューションには大きな可能性を感じます。とくに伝達およびコスト管理のツールとしては、かなり有用性が高いのではないでしょうか」――と語るのは、BIM推進協議会を構成する業界団体の1つである、(一社)日本コンストラクション・マネジメント協会 九州支部の支部長を務める八島英孝氏((株)志賀設計・代表取締役社長)だ。
「CM」とは、発注者の立場に立ったコンストラクション・マネジャー(CMr)が、プロジェクトの目標や要求の達成を目指してプロジェクトを主体的に進めていく建築生産方式のことである。昨今の建築プロジェクトの複雑化にともない、それに関わる調整・マネジメント業務量は膨大になっているうえ、新たな社会的要請として透明性や説明責任の確保なども求められている。これらを円滑に遂行していくため、CMrが設計・発注・施工の各段階において、設計の検討や工程管理、品質管理、コスト管理などの各種のマネジメント業務を行っていくのがCM方式であり、CMおよびCMrの確立・普及を目的に2001年4月に設立された団体が、日本コンストラクション・マネジメント協会だ。
「CM方式でプロジェクトを進めていく場合、さまざまな調整を行っていく必要がありますが、発注者や施工者、そしてユーザーに至るまで、さまざまな立場の人に3次元で正確にイメージを伝えることができる伝達ツールとして、BIMは大いに有効です。また、コストや品質、スケジュールなどを管理していくうえでも、各建築部材に紐付いたデータを一元管理できるBIMの特性が、とても便利だと思います」(八島氏)。
属性情報をもった建築部材で構成されたBIMの3次元モデルは、部材に紐付いたすべてのデータを一元的に管理することができるため、うまく使えば設計から施工、維持管理までのあらゆる工程での効率性アップが可能となる。この点、CM方式にとってBIMは、非常に親和性が高いものだといえよう。
「東京などでの大規模プロジェクトでは、CM方式を採用するケースがかなり増えてきたと聞いています。日本CM協会九州支部としては今後、九州・福岡においても業務としてCMを受注できるよう、さらなる普及促進に努めていくのはもちろんですが、併せてBIMの普及にも注力していくことで、設計とタイアップしながら、CMとBIMのそれぞれの地位確立を進めていきたいと思います」(八島氏)。
【坂田 憲治】
<INFORMATION>
(一社)日本コンストラクション・マネジメント協会 九州支部
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